物件217 押入れの奥に両親が寝る家 劇的ビフォーアフターのアイデアをチェック
劇的!ビフォーアフター 物件217 押入れの奥に両親が寝る家 で紹介されている、リフォームの役に立つアイデアをチェックしましょう。
今回は2時間スペシャルで、2011年のビフォーアフター大賞に選ばれた物件211 冬が怖い家 が、冬を迎えてどのような状態なのか、確かめることからスタートです。
屋根には厚い雪が積もり、いい佇まいを見せています。
おしょうゆカフェの周りは井戸水でしっかり雪が解けていて、床暖房もしっかり効いています。
ただ玄関先のギャラリースペースには、スチール製の醤油棚が設置されていました。
和風の佇まいにはあまりに似合わないので、プチリフォームの開始です。
樽などを足にして板を渡し、釘で固定して商品棚としました。
樽を分解した板で、商品の値札も作りました。
さらに古い衣装ダンスを持ち出して、レジ置きとして活用です。
そしてメインとなる今回の劇的!ビフォーアフター 物件217 押入れの奥に両親が寝る家 は、築55年の木造住宅のリフォームです
夫婦と両親の4人が暮らす住まいで、鉄骨階段先の入口は簡易な引っ掛け式の鍵だけです。
室内も水廻りの使いにくさや混乱した動線など、古さと2世帯を考慮していない住宅なので、生活が困難とも言える状態なのです。
とはいえ現在ほとんど使用していない1階部分は、そこそこしっかりした状態で残っています。
隙間が多いために冬の寒さがひどく、せっかくのスペースを使っていなかったのです。
予算は2500万円と多めなので、住まい全体の断熱性能を高め、1階を活用出来るように動線などを改善することがリフォームのポイントとなりそうです。
元々平屋だった住まいを2階建てに増築した住まいなので、構造部分に不安がありそうです。
引越しが済んで解体が進むと、1階と2階のつながりに問題がたくさん見られます。
さらに地盤が水をしみこみにくく、床下に湿気が溜まりやすい状態でした。
そこでしっかりした鉄筋コンクリートのべた基礎をつくり、不安のある柱を交換します。
さらに梁も補強して、1階部分の強度を高めます。
窓もペアガラスのアルミサッシに交換、隙間をなくして断熱性能も高めます。
ユニットバスを2セット搬入、2世帯分の浴室を確保します。
1階の床には根太と断熱を兼ねる発泡スチロールの板を敷きこみ、床の下地としました。
クッション性があるので、歩きやすく安全な床になります。
もちろん壁や天井にも断熱材を張り込み、断熱性能を高めます。
外階段がなくなり、内階段も場所を変えて広くゆっくりした階段に作りかえます。
その階段は1階から1mほどの高さで途切れ、その残りの高さにつながる、踊り場が広く2つに分かれる鉄骨製の階段が追加されました。
縁側を取り込み広いワンルームとなったLDKのキッチンスペースには、アイランドキッチンが備わります。
調理中に庭の景色を楽しんだり、病気療養中のお父さんの様子が伺える配置です。
階段部分は1つが玄関から2階に上がるためのもので、踊り場部分で1階の両親とコミュニケーションがとれます。
その踊り場部分にはテーブルも備わり、みんなで使えるワークスペースともなります。
床下の空間は収納スペースとして活用、鉄骨を使用することで束がなくなり、有効にスペースを活用できます。
ただ2畳半程度のスペースなら、木で組んでも大きな違いは無いはずです。
2階は梁を出すことで天井の高さを確保、間仕切を取り払って開放的なLDKとしています。
キッチンは少しコンパクトですが、夫婦のキッチンとしては十分以上といえます。
仕組みが入った木の枠を間仕切の開口部分に設置、そこに格子が入ったガラス建具を取り付けます。
ご主人のワークスペースを仕切る、造り付けの机の目の前でリビングにつながる上げ下げタイプの窓で、開く広さを確保しつつ遮音できるガラスの建具としています。
重りを仕込んで、軽く上げ下げできる工夫がされています。
机はリビング側にも30cmほど出ていて、奥さんの経理の手伝いや、子供が生まれたら遊んだり出来るスペースともなります。
庭を片付け、水はけを良くする暗渠を設置しました。
さらにおじいちゃんがお気に入りだったさるすべり(本当は杉)の丸太を輪切りにして、カラフルな色を塗ったパーツを庭に並べます。
周囲を一面瓦の再生材で埋めて、丸太を花形に並べて庭の床のアクセントとしています。
手入れが簡単なように、雑草が生えにくい庭として生まれ変わりました。
塀の色は下を暗く、上を明るくすることで、奥行き間を演出です。
ただ思い出の丸太は、きちんと分かる形で使って欲しかったような気がします。
リフォームが完成して、アプローチは通路が舗装され、両側に花の植栽で出迎えてくれます。
外観は白い壁で洋風に変更、ポーチにはベンチも備わります。
玄関に入ると、思い出の杉の丸太を使った夫婦の写真入れがあります。
玄関収納は高さを生かして広いスペースを確保、ただその前のスペースは若干無駄にも感じられます。
1階のLDKはアイランドキッチンの脇に、食卓が並ぶ配置です。
収納もたくさん確保して、使いやすさと開放感を両立しています。
台所脇には洗濯機置き場と勝手口があり、ゴミ出しも楽になる配置で、玄関には勝手口のガラスから明かりも入ります。
食卓の背後は1面収納スペース、仏壇も入ります。
階段の踊り場部分のテーブルの下は収納で、キッチン側から使えます。
LDKから見える庭には濡れ縁を追加、植栽を整理して手間がかからない庭となります。
玄関ポーチ側と寝室側の両側は、木製の扉と塀で仕切られます。
両親の寝室は2枚の扉で仕切られ、LDKと一体的につなぐことも可能です。
専用の和風を感じさせる石の庭があり、寝ていても眺めることが出来ます。
その庭には、LDKから見られずに洗濯物も干せます。
寝室には小さめながらクローゼットが備わり、トイレや洗面所につながるドアがあります。
洗面所へは寝室とLDKのどちらからでも入れ、タオル収納付きのトイレがその奥にあります。
浴室は、バリアフリー対応のユニットバスです。
この水周りは、洗面とトイレを脱衣室として一体的に使うタイプです。
2階も基本はLDKのワンルーム、食卓上部にはワイングラスが釣り下がる棚が付き、若夫婦の洋風生活を意識した作りを採用しています。
壁付きキッチンの背面には収納付きの作業カウンターを設置、収納スペースを確保しつつ、キッチン部分の目隠しともなります。
キッチンの正面はピンク色のモザイクタイル仕上げ、奥さんの好きな色で楽しく調理ができます。
集成材の天板の食台は天板が折り返される工夫付きで、人造大理石の上でお菓子作りが出来、開いた部分の汚れに強いステンレス板の上に調理器具を置けます。
リビングスペースにはソファーとテーブルが備わり、壁にはカーテンで目隠しした収納棚が備わります。
この収納棚は移動ができる上に背面に扉付きで、リビングスペースを仕切って、客間や子供部屋として使うことも出来ます。
移動が大変ですが、部屋を増やす定番アイデアといもいえるでしょう。
リビングの脇には玄関ポーチ上のテラスも出来て、洗濯物を干したり、日差しを楽しんだり出来ます。
2階にもトイレと洗面所と浴室が出来、こちらはトイレが独立した普通のプランです。
夫婦の寝室には、たっぷりの収納を確保しました。
洗濯機がある洗面所にもつながる、扉も付きます。
寝室とLDKの間が、コピーライターであるご主人のワークスペース。
入口扉の前は半間ほどの収納で、LDKから少し距離を置く作りとなります。
今回の 劇的!ビフォーアフター 物件217 押入れの奥に両親が寝る家 は、2世帯住宅にするリフォームの教科書とも言うべき内容でした。
しっかり2世帯分の水周りを確保、LDKをワンルームとすることで、無駄なスペースを無くしています。
2世帯それぞれの独立した生活を送れる作りに加えて、階段部分で2世帯のつながりを確保しているところがポイントです。
移動式の収納や食台は、ビフォーアフターでは定番のものですが、やはり面白いアイデアでした。
ワークスペースの上げ下げ窓は、既製品を使わずに作るための、実例を示してくれた内容といえるでしょう。
堅実な2世帯住宅とするリフォームに加えて、収納や家具の実用的なアイデアが、大いに参考と出来るリフォームだったといえそうです。