物件222 ベランダがお風呂の家 劇的ビフォーアフターのアイデアをチェック
劇的!ビフォーアフター 物件222 ベランダがお風呂の家 で紹介されている、リフォームの役に立つアイデアをチェックしましょう。
今回の劇的!ビフォーアフター 物件222 ベランダがお風呂の家 は、老舗の酒屋併用住宅のリフォームです。
普段は夫婦二人の住まいですが、週末には娘さん夫婦や孫が来てにぎやかになります。
建物としては傾斜地なので4階建てとなり、かなり大きな建物です。
ベランダに無理して作った浴室は変形で狭く、隙間風もあるような状態です。
住宅用の入口は無く店舗から出入り、台所と店も離れていて不便です。
他にも古さと増改築による使いにくさが、たくさんあります。
予算は店舗の改装を含めてなのですが、3700万円とそこそこ確保されています。
そこで不要な部分を整理しつつ、部屋をスッキリ使いやすく配置することが、今回のリフォームのポイントとなりそうです。
倉庫の物を出してしまってから、既存のコンクリートの強度を確認する為に、コア抜きと呼ばれる検査を行いました。
強度は平均で23N/mmほどと、現在の基準でも標準的な数値が出ていました。
大掛かりな引越しが済んで、ようやく解体が始まります。
ベランダのお風呂も解体、木造部分の骨組みが出てきました。
店舗玄関の間口の柱は1本のみで折れかかった危険な状態、コンクリートの基礎が細く切られ、その上に柱が載っていたりと、木造部分が鉄筋コンクリート部分に固定されていないなど、増改築の問題点がたくさん見られます。
規格以上の高さに積み上げられたコンクリートブロックを撤去、鉄筋コンクリート部分に鉄骨の梁を設置、1階の床下をデッキプレートと呼ばれる波型の鉄板で覆いました。
その上に鉄筋を組み、コンクリートを流し込んで木造部分の基礎としました。
コンクリートの分重くなりますが、床が固くなるので建物全体としても補強されます。
既存の鉄筋コンクリートの柱には炭素繊維シートを巻きつけて補強、鉄筋コンクリート柱の耐震補強の定番工法です。
さらに鉄骨のブレースを追加、新たな床の鉄筋コンクリートと一体化して、さらに補強しました。
構造計算で検討しているはずなので、安心感がある補強となりました。
床に1m角ほどの穴を開け、その真下の地下の床コンクリートにもピット(穴)があります。
酒を上げ下げするダムウェーターを設置するようです。
ここでお父さんの幼なじみの鉄工所で作ったリフトを設置、ダムウェーターより安価なリフトが出来ました。
ちょっとふらふら動く感じもありますが、実用上は問題なさそうです。
ここで木造部分もしっかり補強、柱や梁を追加して、庇も追加しました。
外壁は土色で仕上げ、正面の窓には木製の酒屋格子で覆います。
瓦屋根の庇と相まって、外観が和風のデザインとなりました。
古いステンレス浴槽を合板で覆い断熱材を充填、地下部分に運び込みます。
電動ポンプを設置して、2階まで配管しています。
2階には3畳ほどの防水されたスペースがあり、そこにスチール製の台を設置。
それを軽量なベースとして、大きな浴槽が設置されました。
窓からは飛騨の山並みが見えます。
床や浴槽周りの仕上げは御影石、壁は桧の板で仕上げ、石の注ぎ口も備わりました。
旅館の温泉のような仕上げでまとめた浴室が完成です。
お父さんが買ってくる温泉のお湯は、壁に埋め込まれた配管から一旦地下に設置したステンレスの浴槽に溜まり、電動ポンプで2階まで送るシステムです。
地下のタンク(浴槽)部分に空気を送ることでお湯の温度を調整できる装置を追加、ワイヤレスでお湯の温度が分かるシステムです。
ちょっと大掛かりすぎる気もしますが、お父さんのこだわりや使い勝手を考えると納得ともいえそうです。
ここで匠が杉の葉を取りに行き、杉玉を作りました。
それを店の軒先に飾って、リフォームの完成です。
外観は一部を減築、庇には桧の大きな板を使った看板が付きました。
店舗の前はカエルの足跡がデザインされた洗い出しの床で、店舗の中は床と天井が木の仕上げ。
壁はチッブボードで仕上げて、木に囲まれた空間となりました。
陳列台も匠のオリジナルデザイン、箱の組み合わせを変えることで、形を変えられます。
レジカウンターも表面をチップボードで化粧して、古いカウンターを再利用です。
地下倉庫は2層を1層にまとめ、高さを生かした使いやすい倉庫となりました。
新たに設置されたリフトは、1階店舗のバックヤードにつながります。
バックヤードには、コピー機が置ける事務スペースと流しが備わりました。
ここから店舗と道路に通じるので、配達も楽になります。
でこぼこのあった外観もベランダもなくして、すっきり整理しています。
ベランダで遮られていた陽射しが、地下倉庫にも届くようになります。
大きな壁面の一部には木の板を張り、周囲と馴染むデザインでまとめました。
自動販売機部分には、白い小屋部分を作りました。
その壁には酒の文字を酒枡を積み上げて作り、看板としています。
自動販売機の奥が、新しい住居用の玄関となります。
玄関には大きな靴箱を設置、週末の家族の集まりにも対応できます。
店舗の玄関と隣り合う配置で、住宅用の玄関ホールに設置した折りたたみテーブルで商談も出来ます。
玄関からは、2つの扉でダイニングとキッチンに通じます。
扉は2つですが中は広いダイニングキッチンで、対面式のキッチンが備わります。
キッチン後ろのの作業台は、食事スペースや事務スペースとしても活用できます。
目の前は無双窓で、事務や調理をしながら店舗の様子が伺えます。
作業台の引き出しは店舗側からも使える、アイデア引き出しです。
取り外せない柱部分は、階段の目隠しともなる食器棚として活用です。
小さめの食卓は移動式で折りたたみ式、広げると大きなテーブルとなります。
ベンチの下に移動式ベンチも備わり、大人数に対応します。
しかしそこそこ広い空間なので、テーブルについては可動式でなくても良い感じがします。
ダイニング横には大きな納戸があるので、週末来た家族の荷物を収納できます。
納戸の隣がトイレ、タンクレスタイプで手洗いも洒落ています。
その隣が2階に上がる階段です。
階段を上がるとリビングスペース、マッサージチェアが置ける広いスペースです。
テレビ台のある壁一面をダークブラウンで仕上げ、落ち着いた雰囲気があります。
隣は寝室、フローリングで2つのベッドが余裕で置ける広い部屋です。
クローゼットの奥には納戸があり、お母さんの嫁入り道具であるタンスが置いてあります。
納戸はリビングにも通じています。
2階にもトイレが備わり、2間続きの和室は間取りはそのまま、化粧直しを行って、床の間や仏間が追加されました。
大きな押入れも付いて、娘夫婦や孫がゆっくり泊まれます。
洗面所も広く、大きな鏡は開放してリビングとつなげて、明かりや風通しを良くすることができます。
浴室の外にはバルコニーも出来て、洗濯機がある洗面所から近くで洗濯物が干せます。
今回の 劇的!ビフォーアフター 物件222 ベランダがお風呂の家 は、整理することの大切さと周囲の環境に合わせたデザンがポイントでした。
無駄な部屋割りをなくして地下の2層分を1層にまとめたりすることで、余裕のある広さを最大限に活用できる空間を実現しています。
また店舗と住宅部分を巧みに繋ぐことで、店舗と住居部分を分離しつつ、使い勝手を高めていました。
和風のデザインを採用しながらも、現代風な味わいを加えているところも目立ちました。
明るい仕上げで部屋の明るさを確保しつつ、一部を落ち着いた色にすることで落ち着いた雰囲気を加えていました。
店舗部分ではチップボードを使うことで、木を使いつつモダンなイメージも加えていました。
大きな建物でしたが、適度に減築したり1層を減らすことで、リフォームコストを抑えていたようです。
その反面こだわりの浴室を作ったりと、コストを掛けるポイントの上手さも光るリフォームだったといえそうです。