物件227 窓を開けてはならない家 劇的ビフォーアフターのアイデアをチェック
劇的!ビフォーアフター 物件227 窓を開けてはならない家 で紹介されている、リフォームの役に立つアイデアをチェックしましょう。
今回の劇的!ビフォーアフター 物件227 窓を開けてはならない家 は、八丈島の自然の中にたたずむ 子供一人の3人家族の住まいのリフォームです。
庭にあるビニールハウスは台風で屋根が飛ばされ、中の物は雨ざらしの状態です。
その奥にある住まいは湿気を避けるために基礎が高く、玄関までの段差も大きく子供にとっては登ることも大変です。
元々が企業の保養所だった建物なので、広い廊下や大小共に2つある便器、2つの洗面器に2つのシャワーがあるお風呂など、水廻りに無駄が多い空間です。
その水廻りだけ、鉄筋コンクリートでつくってあります。
3室ある部屋のひとつを増築して、10畳ほどのLDKとして使っています。
部屋の掃き出し窓は地面まで1mくらいの段差があり、危険な窓となっています。
リフォームの予算は1500万円とそこそこ豊富で、ヤシの木が多く視界が悪い庭にも手を加えられそうです。
加えて洗濯物が干せるテラスの増設や仕切りの変更など、住まいを安全で使いやすく整理するアイデアが今回のリフォームのポイントとなりそうです。
解体の前に使える設備や材料を確認して、使えるものは丁寧に取り外して再利用です。
解体が進むと、湿気が多くシロアリで傷んだ部分も見られます。
室内の土の部分が敷地より低く、さらに基礎の通気口から漏れた雨が床下に溜まるような状態でした。
さらに配管のために、床を支える大引きが大きく欠き込まれた場所もありました。
そこで不安がある木構造部分を補強、床下には防湿シートを敷いた上にコンクリートを流し込んで湿気対策を行いました。
そして基礎の内側や基礎廻りの木材にミネラルと珪藻土を混ぜたものを塗り、シロアリ対策と調湿効果と消臭効果を持たせました。
ですが雨が漏れていた通気口は、そのままのようです。
木構造の補強が終わって、匠は周囲を視察に出かけています。
防風のための玉石の高い石垣や防風林に囲まれた住宅、湿気を防ぐ高床や玉石の上に乗せただけの柱など、日本の伝統的な工法に加えて、南の島国独特の気候に対する対策が見られます。
200年近く昔に建てられた住まいも見られ、椎の木など地元の木を使ったしっかりした作りが見事です。
床から壁や天井まで、断熱材でしっかり包みました。
南の国なので、寒さはさほど気にならないはずですが、暑さ対策には効果がありそうです。
両側の妻壁の高い位置に窓を設置、屋根裏に溜まる熱気や湿気を逃がす計画です。
危険な掃き出し窓は高さを変えて安全に変更、さらに全ての窓にはペアガラスを使って断熱性能を高めています。
庇が少ない建物なので、夏の暑さ対策としても窓の断熱性能を高めることは重要でしょう。
内壁には鉱物系のボード材で、壁材自体に調湿や消臭防カビ効果があります。
そのままで仕上げとなるので、手間も減らせます。
さらに残った端材は床下に敷きこんで、調湿効果を高めました。
外壁には既存のサイディングの上に、杉板を張って仕上げます。
耐久性と断熱性能が上がる効果が期待できますし、見た目も自然に溶け込みます。
浴室のコンクリートの内壁を解体したコンクリートを玄関前に敷き詰め、さらにコンクリートで平らにして玄関前の段差を大幅に減らしました。
さらに玄関ポーチの階段も、緩く作り直します。
ここで足場用のパイプが登場、建物の基礎の周囲に組んでいます。
さらに島の溶岩石で作る間知石の残り材を入手、足場パイプには金網を取り付けています。
そしてもらってきた溶岩石の残り材を、金網と基礎の間に入れました。
上にはアクリル?板を乗せて、基礎の雨よけとしました。
穴がたくさん開いていて乾きやすいという溶岩石の特徴を生かした基礎カバーです。
ただ見た目や角が危ない感じもあるので、ツタなどの緑で覆いたいところかもしれません。
他の場所で普通に対策するなら、基礎を樹脂モルタルなどでカバーして、換気口にはガラリをつけるでしょう。
床の仕上げには、元々床材として使っていた良質な無垢の桧材の表面を削って再利用です。
ちょっと削っただけで、新品同様となりました。
従来のシステムキッチンは磨いて再利用、ベースを作って高さを微調整することで背が高いご主人でも使いやすくしました。
キッチンパネルも再利用、下地の石膏ボードごと剥がして貼ることで、防火性能もキープしています。
LDKの南側の床の一部を円形に35cmほど下げて、2段の丸い階段状に作りました。
床面は柔らかいコルクタイルで仕上げ、床下引き出し付きのスペースとしています。
増築部分で天井が低いので床を下げて、ラウンジピットと呼ばれるくつろぎのスペースとなりました。
ここで隣家の防風林となっているヤシの木を、1列だけ伐採。
建物と防風林の間を広げることで、明るい陽射しを確保しました。
日が当たるようになった屋根には、太陽光発電のパネルを設置。
日陰が落ちる可能性があるので、日陰の影響を受けにくいタイプのソーラーパネルを採用しているようです。
家の裏には丸くコンクリートを打ち、丸く足場用のパイプを設置しています。
さらに屋根にも鉄パイプを設置、手摺や床をつけて、ラセン階段で登るルーフデッキが完成しました。
ベンチやテーブルも付いて、海が見える絶景のルーフデッキです。
このルーフデッキに古いバッテリーを取り付け、ソーラーパネルをつなぎました。
バッテリーに蓄えられた電気は、停電時にLED照明と専用コンセントの電気として使います。
ただ再生バッテリーなので、耐久性や電気の利用効率は悪そうです。
さらに、定期的なバッテリー交換も必要でしょう。
リフォームが完成して、ビニールハウスは足場パイプと木板で作り直しました。
基礎もコンクリートで作ってあるので、しっかりしています。
腰壁は基礎周りと同様に、溶岩石の壁でカバーです。
洗濯物干しにも使いやすくなった上に流し台も付いて、立派な漁具置き場の完成です。
住まいの外壁は木板でカバー、玄関周りは白く塗って仕上げています。
玄関ドアは木製の引き戸となり、玄関脇には屋外収納ボックスも備わります。
食料品などの宅配品はこのボックスに入れれば、スコールでも濡れません。
玄関ホールは、幅の広さを生かしてロフトに上がる階段を設置しました。
天井も梁材が見えるほど高くして、妻壁の窓から通風もできます。
玄関ドアの横にも、換気用小窓を設置しています。
玄関脇には広いシューズインクローゼットを確保、ここで靴の脱いだり傘をしまえば、玄関はスッキリした状態で使えます。
宅配ボックスの荷物は、ローラーで滑らせて移動できる工夫付です。
寝室の窓は腰高窓で安全となり、押入れも2箇所として収納量をたっぷり確保しています。
1面だけの木板仕上げの壁が、良いアクセントととなっています。
真ん中の納戸は湿気対策を行って、将来の子供部屋として快適に生まれ変わりました。
奥行きが浅めなクローゼットが備わり、寝室とも行き来できるドアが備わります。
ドアの隣の収納棚は移動式で、扉側にずらして棚板を間に挟むことで、収納スペースを広げた完全個室として使えるアイデア家具が仕込まれています。
トイレの位置はそのままに、小便器と大便器ひとつづつのトイレとなりました。
洗面所も洗面台をひとつにして、余裕がある広さは収納として活用です。
浴室は適度な広さに縮小、扉を追加して明るさや通風を確保、天井と壁の一部は木板仕上げとしています。
この扉からは屋外シャワーに通じていて、仕事の汚れを落としてそのままも風呂にも入れます。
LDKのシステムキッチンは再利用、対面式とすることで子供を見守りながら調理ができます。
天井も梁を見せて高くして、開放的な空間となります。
キッチンの背面にも、再利用した食器棚が綺麗に収まりました。
床下収納やスライド式の食品庫も追加して、使いやすさを高めています。
ダイニングテーブルは、広げて使える工夫付。
番組では定番ともなっている手法ですが、今回のタイプは接続部分のズレが気になるかもしれません。
ラウンジピットはテレビを見るスペースでもあり、DVDプレーヤーはピットの収納の一部に収まる作りです。
ダイニングとなりの窓は掃き出し窓に変更、デッキテラスに出られます。
物干しやバーベキューが可能な、広いデッキテラスです。
このデッキテラスは、ルーフテラスに登るラセン階段にも通じます。
手摺にはネットが張られ、安心して登れます。
子供部屋の上のロフトは、仕事の漁具を手入れする作業場としてのスペースです。
LDKと通じる窓もついて、手入れ中でも家族と通じるスペースです。
ガラり付きで、通風も確保しています。
今回の 劇的!ビフォーアフター 物件227 窓を開けてはならない家 は、再利用のアイデア豊富なリフォームが印象的でした。
アイデアによっては八丈島ならではの手法も多かったのですが、普通の住まいでも使えるアイデアも豊富でした。
ラウンジピットや2重の外壁、足場用パイプの活用などは一般的な住まいでも使えそうです。
スマートハウス的な太陽光発電のフル活用については微妙な部分も感じられますが、停電時の安心感を考えると効果的でしょう。
周囲の景色を取り入れるアイデアも、この敷地ならではのアイデアともいえますが、テラスからルーフデッキのつながりなど、景色を取り込む為の工夫は参考にできるはずです。
豊富で様々なアイデアを知ることができたところが、今回のリフォームの注目すべきポイントだったといえそうです。