住まいのリフォーム・リノベーション、タイトル画像

物件232 頭の痛い家

劇的ビフォーアフターのアイデアをチェック    住まいのリフォーム・リノベーション

 


劇的ビフォーアフターのアイデアをチェック



とんでもなく傾いた長屋


頭の痛い家


女子マネ泣かせの部室


 

住まいのリフォーム・リノベーション
では、
住まいのいろいろな改修方法や
必要なコスト、快適さの追加や
エコロジーや節約ポイントを紹介。

計画や工事のチェックポイントや
リフォームが必要な時期など、
住まいのリフォーム・リノベーション情報が満載です。

 

物件232 頭の痛い家  劇的ビフォーアフターのアイデアをチェック

劇的!ビフォーアフター 物件232 頭の痛い家 で紹介されている、リフォームの役に立つアイデアをチェックしましょう。

今回の劇的!ビフォーアフター 物件232 頭の痛い家 は、母娘2人のための住まいのリフォームです。
お母さんが病気となり左半身の体の動きが悪くなった為に、バリアフリーを中心としたリフォームとなります。
リフォームを行う実家の作りは伝統的な古い住まいらしく段差が大きな作りや寒さで、増築した台所や水廻りの天井の低さなど使いにくさ満載の状態です。
しっかり手を加えられている住まいなのですが、以前のリフォーム内容に無理があったようです。
さらに3cmの厚さに削られた柱など、構造的にも不安な要素が見られます。

匠はお母さんの体の状態や動きを確認して、プランの参考とするようです。
予算は1800万円と、かなり豊富です。
そこで低く使いにくい増築スペースの活用法と、2人の為にしっかりした作りで使いやすいバリアフリー住宅とすることがリフォームの注目ポイントとなりそうです。

解体が進むと、樫の柱や松の梁など なかなかしっかりした構造体が現れました。
しかし床下部分はやはり厳しいようで、シロアリに食われていたり、以前のリフォーム内容にいい加減な部分が目立ちます。
また敷地の下には炭鉱の坑道があるようで、床下が湿気の多い状態となっています。

そこで傷んだり不安な部分を撤去、さらに増築した低い部分である敷地から飛び出して作られた違法部分を撤去しています。

ここで既存の柱に新しい柱を沿わせてボルト締めを行い、既存の柱の足元を切り取りました。
この状態で建物の下になる地面を均して、防湿シートを敷きこんだ上に土間コンクリートを作りました。
さらにその上に遮水用の塩ビシートを敷きこみ、その上にようやくしっかりした鉄筋コンクリートの基礎を作りました。

家の真ん中あたりの2畳ほどのスペースには、土間コンクリートを少し高い位置まで打ち込みます。
土台を柱の下に敷きこんでから、柱と土台をつなぎます。
真ん中あたりの土間コンクリートが高い部分には柱をたくさん設置、合板を貼って住まいの中心を補強します。
大黒柱の代わりに柱と合板で住まいの強さを確保する、大黒壁の完成です。

ここで断熱材を貼り付けますが、建物の4隅だけに断熱材を入れました。
その内側に斜めに杉板を貼っていき、V字型に板が並ぶL字の壁をつくります。
土台と柱を固定しつつ、耐力壁と壁仕上げを兼ねるコーナー壁の完成です。
平屋なので計算上は薄い筋かいとしても十分だと思われますが、実際の構造強度はどのくらいになるのか興味があるところです。

一般的な大引きと根太の床下地に加えて、一部分の床下にはオフィスやマンションの床下地として使われる、パーティクルボードをクッション付きの金属足で支える床下地を採用しています。
ボード上の構造用合板の上には断熱材を敷きこみ、さらに深夜電力を利用する蓄熱式床暖房を設置しました。
一日中お母さんが生活する住まいとなるので、快適さを最優先した選択です。
仕上げの床材にはムニンガと呼ばれる、変形しにくい材料を採用しました。
予算に余裕があるようで、全体的にハイレベルの仕様となっています。

一部は床を貼らない開口となり、その上に低めの梁を2本掛けて、大きな1本の梁を撤去しました。
天井の高さを確保して、そこにシステムバス(ユニットバス)が入りました。
バリアフリータイプのシステムバスで、天井が曲面で持ち上がるデザインの高級仕様です。

新しい大きなアルミサッシが窓部分に入り、一箇所には引き戸のアルミサッシも入ります。
基礎の外側に張り出す形で取り付け、室内の段差部分のコンクリート基礎の上には断熱材を2枚重ね、上は土間コンクリートで覆いました。
これで段差の無い玄関部分が出来ました。
この玄関までのアプローチは、やはりスロープとなります。
基礎を遮水したことで地盤面から床仕上げまでの高さを減らし、玄関の段差をなくしつつスロープの長さを減らす効果があります。

玄関の先はリビングダイニングキッチン、元々和室の続き間だったスペースを、床を下げて梁を見せることで天井を高く解放的な空間としています。
その奥の南東側がお母さんの部屋、陽射しの条件がよく、庭に面した部屋となります。
その隣が娘さんの部屋、リビングとお母さんの部屋に通じる配置です。

アプローチとなるスロープの上には屋根がかかり、玄関の脇が広いトイレとなります。
便器の開閉や手洗いの水栓が自動のタイプを採用して、お母さんの手間を減らします。
車椅子でも使える広さのトイレです。

ここでリビング脇のロフトの壁に換気扇を設置、ダクトをトイレまでつないで、トイレには断熱材で覆ったダクト兼排気口を設置しました。
リビングの暖かい空気をトイレに送ることで、トイレやその前の廊下に暖かさを届けるシステムを採用しました。
かなり大げさなものにも見えますが、リビングは蓄熱床暖房で常に暖かくなるので効果的ともいえそうです。

リビングの天井には、廊下とお母さんの部屋をつなぐ位置にコの字型の木の枠を2つ取り付けました。
そこに、鉄パイプで組んだ車輪付きのカゴのようなフレームを設置しています。
玄関とリビングを仕切る扉には、玄関から続く手摺に近くなるようなL字型の引き手を取り付けて操作しやすくしています。

その扉の先には車輪付きのフレームがあり、ゲート式歩行器としてお母さんの部屋まで移動しやすい工夫を取り入れました。
上から力がかかるとストッパーがかかる車輪とすることで、安全性を高めているようです。
介護の専門家の意見を取り入れた、お母さん専用ともいえる移動装置の完成です。

リフォームが完成して、瓦屋根はほとんどそのまま、道路側には木の目隠し格子が付きました。
その格子の中に、エアコンの室外機なども納まります。
一部は漆喰壁としてデザインしていますが、ちょっと微妙です。
スロープの屋根は木板でカバー、こちらも一部を漆喰壁として目隠し壁としてデザイン、手摺もしっかり備わります。
格子の門の先には、娘さんの書道教室用の玄関が付きました。

従来の天井が低い水廻り部分は書道教室となり、中心の柱の回りを6角形の書道机が囲みます。
この机は分割でき、移動することでいくつかの形に変更できます。
ギャラリーや収納やクローク、さらに手や筆を洗える流し台も備わります。

ほとんど段差の無い玄関には、大きな下足入れの脇に折りたたみ式の車椅子が収納できるスペースも確保されています。
椅子や手摺もしっかり備わります。

キッチンは対面式で、ダイニング側のお母さんの様子をうかがいながら調理ができます。
キッチン前のカウンターは収納付き、お母さんの手摺にもなるそうですが、ちょっと掴みようが無いかもしれません。
キッチンスペースはかなり広く、壁側にはカウンター収納や勝手口も備わります。
椅子に腰掛けたり車椅子でも使えるキッチンとして、キッチンカウンターは足元が開いています。
サンルームが無くなり、リビングの大きな窓から庭の景色も楽しめます。

リビングの窓の先は段差無く続く縁側で、ゆっくり庭を楽しめる長く広い縁側は玄関からお母さんの部屋まで続きます。
軒裏には物干しが備わり、洗濯物を干すスペースにもなります。

大黒壁は仏間と収納スペースとして活用、その脇から洗面脱衣室に入ります。
洗面所には、可動式の手摺が背もたれにもなるアイデア付きです。
オリジナルの収納には、歯ブラシに歯磨き粉がつけやすくなるクリップ付です。

娘さんの個室には、壁一面に収納が備わります。
お母さんの部屋は縁側にも出られる大きな窓が付き、ベッドの頭側の壁にはカウンター付きの腰壁が備わります。
さらに収納や洗面器や簡易トイレもついて、使い勝手を高めています。
ゲート式歩行器は、洋裁が趣味のお母さんが大量に持っていたカラフルな糸を使って作った組紐がたくさん取り付けられました。

トイレのパーティションはクッション付きで、寄りかかれるアイデア付です。
また書道教室からも、すぐに使える配置となります。
書道教室の上が収納式のハシゴで上れるロフトで、書道教室が見下ろせるだけでなく、障子を介してリビングともつながります。

今回の 劇的!ビフォーアフター 物件232 頭の痛い家 は、徹底したバリアフリーリフォームが印象的でした。
採用される材料や設備もかなりの高級仕様で、予算の余裕が感じられたリフォームともいえそうです。
蓄熱式の床暖房やトイレのダクト暖房など、最新設備とアイデアの組み合わせにも興味深いものがありました。

バリアフリーのアイデアとしては、お母さんに合わせた分だけ特殊な部分も感じられますが、個人に合わせることの大切さもよく分かります。
またゲート式歩行器やL字の引き手など、参考に出来る新しいアイデアも見ることが出来ました。
バリアフリーにぴったり的を絞ったリフォームとして、新しい考え方が印象的な内容だったといえそうです。

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