物件244 目をそむけてきた庭 劇的ビフォーアフターのアイデアをチェック
劇的!ビフォーアフター 物件244 目をそむけてきた庭 で紹介されている、リフォームの役に立つアイデアをチェックしましょう。
今回の劇的!ビフォーアフター 物件244 目をそむけてきた庭 は、老人介護施設の中庭に足湯を作るリフォームです。
桶を使って行っている足湯が好評で、段差があって使いにくくほとんど使われていない中庭を生かすために足湯を作るという、普段とは異なるプロジェクトとなります。
中庭に面する窓は常にカーテンが閉められていて、中央に木が植えられているだけの20坪ほどの空間です。
その中庭は排水が悪く、エアコンの室外機に囲まれるという環境です。
さらにタイル敷きのテラス部分にも段差があって、せっかくの中庭が活用されていないのです。
そこでこの中庭を生かし、足湯を快適に行う為のリフォームとなります。
リフォーム予算は500万円、庭作りとしてはかなり豊富といえますが、屋外の足湯なので陽射しや寒さ対策も必要となります。
そこで予算を生かした段差解消や見苦しい室外機などのリフォームと、冬でも快適に足湯が出来る為のアイデアに期待しましょう。
まずは庭に置かれている物を運び出し、エアコンの室外機を屋上に移動します。
さらに水はけが悪い地面を全面薄く掘り、鉄筋コンクリートの床を作りました。
中央の木は残し、周囲を回遊できるプランのようです。
ここで匠は地元の採掘場に出掛け、大谷石をチェックして加工しています。
タイル敷きの部分とコンクリート床部分をまたぐように、コの字型に基礎を作ります。
その内側を防水加工して、足湯の水槽を作ります。
ここで足を置けるくぼみ加工した大谷石を運び込み、足湯を四角く閉じました。
底や基礎にも大谷石を貼りこんで、大谷石製の足湯が完成です。
くぼみのある側は車いす用、他の辺は普通に腰掛けて使います。
さらに大谷石を積んだ腰壁を、目隠しとしています。
鉄筋コンクリートの部分に、樹木の周りを周回できるたくさんの手摺を固定。
水に強いヒバ材で作った格子で、中庭に面する外壁部分をカバーしています。
さらに楕円形の手摺の中にも格子を入れて、囲まれ感のある路地のような庭になりました。
リフォームが完成して、足湯の中央には木製の手摺が付きました。
四角い角のある断面形状は気になりますが、丸太の椅子付きで使いやすさを高めています。
足し湯のお湯張りや温度は自動調整、掛け流すことで汚れも排出される工夫付です。
その足湯にはパーゴラ風の屋根が付き、冬の寒さや強い日差しを緩和しています。
足湯の正面には丸く開口を開けた板壁が付き、目隠しと風除けを兼ねつつ、シンボルツリーが見えます。
路地スペースは格子塀小路と名づけられ、石柱の看板まで付きました。
床は大谷石を敷き詰めた石畳で、滑りにくさも加えています。
排水部分もスムーズに流れる高さに調整、掃き出し窓からほとんど段差無しに中庭に通じます。
お風呂の窓は格子で遮り、その前に土と大谷石で築山を作り、離れて通るような配慮も加わります。
隣には大きな京傘と机が備わり、京風の庭を強調しています。
さらに中央には、古いベンチを再利用した鉢植えを飾る花台が備わります。
ここでも大谷石を天板に使用、隣には大谷石を積んだ腰壁が付きました。
足湯横の腰壁までが大谷石の路地で、大谷石塀小路と名づけられました。
路地には足元照明も備わり、夜には風情のある表情を見せてくれます。
今回の 劇的!ビフォーアフター 物件244 目をそむけてきた庭 は、足湯だけでなく庭を周回できる小路が印象的なリフォームとなりました。
足湯には地元の大谷石をふんだんに使い、車椅子でも使えるアイデアを追加して使いやすさを高めていました。
外壁を隠す格子や路地の作り方は、スケールを小さくして住宅の庭やアプローチにも活用できそうなアイデアでした。
回遊できる庭を小路として作ったり、足元を照らす照明で夜は表情を変えるところもポイント。
格子が少し高すぎる感じもありますが、その分だけ小路の雰囲気が高まっていたようです。
足湯に加えて、回遊できる小路や浴室のプライバシーを高める作りなど、格子と大谷石のシンプルながら、よく考えられたリフォームだったといえそうです。