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物件249 隣家で食事する家

劇的ビフォーアフターのアイデアをチェック    住まいのリフォーム・リノベーション

 


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住まいのリフォーム・リノベーション
では、
住まいのいろいろな改修方法や
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住まいのリフォーム・リノベーション情報が満載です。

 

物件249 隣家で食事する家  劇的ビフォーアフターのアイデアをチェック

劇的!ビフォーアフター 物件249 隣家で食事する家 で紹介されている、リフォームの役に立つアイデアをチェックしましょう。
今回の劇的!ビフォーアフター 物件249 隣家で食事する家 は、78歳で一人暮らしをしているおばあちゃんの住まいのリフォームです。

立派な作りながら古く段差の多い母屋に、水廻りを集約した別棟の離れなど、高齢のおばあさんにとっては使いにくさが目立ちます。
道路に面して近くに踏切がある部屋が寝室だったり、隙間が多い作りに加えて、台所やトイレや浴室がある離れは母屋とかなり離れていて、雨の日には傘をさして移動するような状態です。

予算は2500万円とかなり豊富ですが、古民家の本格的なリフォームにはコストが掛かります。
そこで立派な作りの母屋に的を絞って、水廻りを1階に追加することがリフォームの基本でしょう。
その上で2階や離れ部分については、出来るだけ手を加えずに活用するアイデアが、今回のリフォームポイントとなりそうです。

解体の前に匠が立派な作りの母屋を検証、大きく立派な柱梁や良く手入れされた建具や良質な板材など、できる限り再利用する為に丁寧に外していきます。
1階部分の解体は最小限、2階は内装のほとんどを解体しました。

柱より上の構造部分はかなりしっかりした作りですが、振るい作りの住まいに必須の足固めがなかったり、後で補強した床束は効果が無い状態です。
床下一面に敷かれた乾燥剤にもかかわらず、シロアリの被害も見られます。
ここで既存の柱や梁を水で洗浄、汚れを落とすだけでなく、木が水を含んで生き返る効果もあります。

床下の乾燥剤の上に床暖房パネルを設置、その上に土間コンクリートを打って、蓄熱式の床暖房を採用しました。
そして柱の根元に足固めを追加して、足元を補強しました。
離れ部分も1階部分を解体、水廻りの設備を全て撤去しています。

ここで母屋と離れの間に植えられていた梅の木を、庭の広い場所に移植します。
そして母屋に面する離れの外壁に穴を開け、新しい基礎を作って柱や梁を組み、2つの建物を廊下でつなぎました。
母屋の玄関と離れの玄関は遠かったものの建物自体は3mも離れていないので、移動が格段に楽になります。

今度は敷地の入口部分にある納屋の一部の屋根を解体、補強の鉄骨梁も解体して、わき道から入る駐車スペースを2台分確保しました。
その納屋部分に使われていた大きな梁を離れに持ち込み、インテリアと補強をかねて追加しました。
比較的新しい作りの離れの壁も漆喰で仕上げ、母屋との違和感を減らしています。

元々本瓦噴きだった母屋の屋根は、現在ではスレート瓦に葺きかえられています。
そこで匠はこのスレート瓦の上に防水シートを敷き、さらに屋根瓦型の発泡スチロールを敷き詰め、瓦型のガルバリウム鋼板で仕上げます。
軽く断熱性のある、瓦風デザインの屋根を追加しました。
ただ既存のスレートの上にそのまま仕上げているので、台風などの強風に対する強さの点では疑問も残りそうです。

離れ部分の陸屋根も撤去、屋根の下地も撤去して、勾配屋根としています。
母屋と同じ屋根で葺いて、デザインをそろえました。
2階部分の断熱性能が上がる効果も期待できます。

母屋の屋根裏には断熱材を追加、2階の床の一部を剥いで吹き抜けを作り、遮音性能のある石膏ボードを床に追加して、床の遮音性能を高めました。
1階床には足に優しい吉野杉の板を採用、土壁の上には漆喰を塗って、隙間も補修します。
さらに対面式カウンターが備わるシステムキッチンを追加、吹き抜け付きのキッチン空間が完成です。
騒音が気になる道路に面する窓は小さめにして、吹き抜けからの陽射しで明るさと通風を確保しています。

浴室は離れの同じ場所に設置、トイレは母屋と離れをつなぐ廊下の脇に作り、使い勝手を高めました。
離れの掃き出し窓の先にはウッドデッキを追加していますが、場所によって高さが違うので、スロープでつないでいます。
その離れの母屋側におばあちゃんの寝室を配置、古い木材と漆喰壁を使うことで、母屋に近い雰囲気でまとめています。
静かで明るく、断熱性能の高い離れを、落ち着ける寝室としたようです。
道路側におばあちゃんの部屋をかわす廊下を配置することで、防音性能を高めつつ使い勝手も改善しています。

その廊下の先が洗面所と浴室、玄関とトイレと浴室だった空間を活用しているので余裕があります。
洗面所と浴室の壁や床は大判タイルで仕上げ、まとまりのある空間としています。
水廻りがおばあちゃんの寝室の周囲に配置されたので、使い勝手も向上しています。

1段下がり?の洗面所の外にもウッドデッキがつながり、さらにその先にある駐車場にも、スロープのウッドデッキがつながります。
将来車椅子が必要になっても、駐車場までの動線がつながる工夫付なのです。
ウッドデッキ部分には屋根が掛かっていて、新しく屋根を作った駐車場まで雨でも濡れずに通じます。

殺風景な境界のブロック塀は、古い屋根瓦とモルタルに塗装して化粧、瓦塀に生まれ変わりました。
庭も安全な通路を整備、植木も整理して、歩きやすい庭となります。
庭正面の納屋の壁や床の一部を切り抜き、庭から入れる東屋としました。

ここで匠は書道で使う墨を作っている呉竹を訪問、奈良墨を作る作業を見学しています。
そして削り墨と呼ばれる墨の削りかすを入手、それに番茶を注いで液体の墨汁としています。
その墨汁を漆喰に混ぜて黒漆喰を作り、外壁の仕上げに使いました。
古い建具を戻して、リフォームの完成です。


リフォームが完成して、木格子や黒漆喰が復活、古きよき風情が甦りました。
玄関から庭まで続く土間は、そのまま残りました。
その先にある離れも母屋と同様に一新、壁は1階が黒漆喰で2階は白漆喰の2トーンとして重過ぎないカラーを採用。
庭の造りも和の雰囲気でまとめ、和風のデザインで全体をまとめました。

母屋の1階には、土間の上り下りの為にスチールの手摺を追加。
元々の立派な作りを残しつつ、使い勝手を高めています。
玄関脇には腰掛けて話が出来るスペースを追加して、そこに大きな下駄箱も備わりました。

玄関上部の一部も吹き抜けにして明るさを確保、玄関脇の部屋を仏間として、応接や法事に使える部屋としています。
開放的な田の字型プランの部分をリビングやダイニングキッチンとして活用、天井を高くして開放感を高め、窓はペアガラスとして断熱性能を高めています。
キッチンカウンターの脇には、古い茶箪笥をきれいにして再利用。
テレビ台などにも古い箪笥を再利用して、趣と思い出を加えています。

キッチンスペースはゆとりの広さで、娘や孫と一緒に調理が可能です。
仏間にも通じるので、お茶をなども出しやすくなります。
そのキッチンの裏にはさらに家事スペースがあり、作業机や収納カウンター付きで使いやすさを高めています。
キッチンの吹き抜けはスライド式の障子で仕切ることも出来て、暖房効率を高めることができます。
田の字型の部屋は古いガラス戸を再利用して仕切ることも出来て、冷暖房を必要最小限に抑えることが出来ます。

ダイニングスペースの脇には、離れにつながる廊下が出来ました。
その正面がおばあちゃんの寝室、その先の廊下は車庫まで通じ、扉を開けると車庫まで見通せます。
廊下にあるトイレには手摺も付いて、使い勝手を高めています。

おばあちゃんの寝室にはクローゼットに加えて、再利用した箪笥も備わります。
広い屋根付きのウッドデッキ付きで、快適な寝室空間となりました。

洗面所と浴室は段差無くつながり、浴室には星空が見える天窓も付きました。
その浴室の天井は木板で、柔らかい雰囲気を加えています。
洗面所にある洗濯機で洗濯を済ませたら、その前にあるウッドデッキの物干し場で洗濯物が干せます。
縦横の格子付きで適度に視線を遮りつつ、陽射しや通風を確保しています。

離れと納屋の間にある2台分の車庫は、道路側にシャッター付きです。
納屋の東屋までの庭は、おばあちゃんの散歩コース。
庭には瓦や庭石を再利用、古いレンガで造ったバーベキューコーナーも備わります。

母屋の2階に上がる階段は、緩やかに架け替えて使い勝手を向上。
娘さんや孫たちが泊まれる、十分な広さの和室を確保しています。
扉も再利用、2階にもトイレを追加して、将来の娘さんとの同居にも不安がありません。


今回の 劇的!ビフォーアフター 物件249 隣家で食事する家 は、立派な作りの母屋を最大限に生かしたリフォームが印象的でした。
一見邪魔になりそうな土間をそのまま残し、それ以外の通常の生活空間の段差をなくすことで、おばあちゃんの使いやすさを高めていました。
構造の補強が少なくて済んだり、建具などの再利利用がたくさん出来た分だけ、離れの外装や母屋の2階、車庫や納戸にもしっかり手を加えることが出来たようです。

土間の先の階段や納戸の残り部分など、無駄な部分も残ってしまった印象もありました。
しかし将来の同居まで考えると、その無駄な部分が生きてきる可能性も残っています。
おばあちゃんの一人暮らしとしては余裕がありすぎる住まいとなりましたが、古い建物を最大限に生かしたリフォームは古民家再生に限らず参考に出来る内容だったといえそうです。

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