物件254 孫が玄関で寝る家 劇的ビフォーアフターのアイデアをチェック
劇的!ビフォーアフター 物件254 孫が玄関で寝る家 で紹介されている、リフォームの役に立つアイデアをチェックしましょう。
今回の劇的!ビフォーアフター 物件254 孫が玄関で寝る家 は、毎年岸和田のだんじり祭りの時に娘家族や親戚が20人以上集まる住まいのリフォームです。
しかも訪れたほとんどの人が泊まるので、この時ばかりは玄関前まで布団を敷き詰める状態となります。
リフォーム対象となる16坪の平屋で築70年の住まいは、一人暮らしのおばあちゃんが普段暮らすには適度な広さ。
ただ細い路地を60mほど奥に入ったところにあるので、工事は大変そうです。
その路地の上4mほどの位置に物干し竿を持ち上げ、洗濯物を干している状態でかなり大変。
洗濯機は2台、一つはお祭り専用のもので、冷蔵庫も2台ありこちらもお祭り用で、たくさんお布団など、お祭り時と普段の生活差が非常に大きくなります。
天井までいっぱいに使った収納なども、たくさんの物であふれてしまっています。
換気扇が無いユニットバスなど使いにくさもあって、工夫はしてい住んでいるのですが、使い勝手は今ひとつです。
リフォーム予算は800万円、広さ(狭さ)を考えると不足は無いでしょう。
ただ次のだんじるに間に合わせる為に工事期間は3ヶ月、設計からであればかなり厳しい期間しかありません(平屋なので工事だけなら十分なのですが)。
そこで素早く設計を行い、おばあちゃんの普段の暮らしやすさを優先しつつ、たくさん人が集まった時にも対応できる寝台列車のようなアイデアを盛り込むことがリフォームのポイントとなりそうです。
化粧直しを行った総ケヤキ造りのだんじりは、見事な枡組みや彫刻など立派なものです。
無事に入魂式が行われ、すぐにお披露目もされました。
引越しが済んで、いよいよ解体です。
路地を通っての解体となるので、かなり手間がかかります。
解体が進むと、基礎が無く、石の上に建てられた掘立て柱ということが分かりました。
床を支える大引もぐらぐら、逆に床板が支えることで倒れなかったような状態でした。
そこで建物の足元を切断、型枠を作って柱の根元も切断。
その下に、鉄筋コンクリートのベタ基礎を作りました。
土台も入れて、現代的な作りの基礎に補強完了です。
さらに梁も丈夫に補強して、ようやく周囲の外壁を解体します。
そして壁は構造用合板で覆い強度を確保、さらに床も構造用合板で補強。
外周だけで強さを確保できる、丈夫な骨組みの完成です。
残した屋根の一部を切り取り、天窓を3つ取りつけました。
妻壁にも通風小窓を取り付けて、明るさと通風を確保しました。
ここで学生のお孫さんが工事の手伝いに参加、断熱材を入れる工事から開始。
下地の加工やボード貼りなど、しっかりお手伝いになっているようです。
大まかに出来たワンルーム空間は3つの天窓で明るくなり、電動で開くタイプ゚なので排熱や通風も可能です。
ここから、室内の仕切り壁の工事を開始。
IHヒーターや食器洗浄乾燥機が備わるシステムキッチンは、玄関引き戸に対面する形。
玄関側に水廻りを集約して、残りの空間の広さを確保するようです。
そこに紙管を並べた木枠を持ち込み、布団収納の棚板としています。
布団を出した後にその木枠を持ち上げて、3段分・6人のベッドとなる寝台列車的アイデア収納ベッドです。
軽い紙管を使っているので、比較的楽に移動できるところもポイントとなります。
ここで匠は娘さんのいとこの製材所に出かけて、だんじり造りで残ったケヤキの端材を入手。
家具工房で丁寧に加工して、キッチン裏となる玄関収納の扉となりました。
中央の高さには、だんじりをイメージした紙屋町の彫り物や枡組風の組み木を組み込みました。
かなり贅沢な作りで、まともに作ったらかなりの価格になりそうです。
リフォームが完成して、外観がすっきり明るい、山吹色の外壁に変身。
窓や給湯器は木の格子で目隠しして、玄関はガラスから光が入る引き戸となりました。
玄関正面にはケヤキの大きな玄関収納、ダイニングに入る戸とは別に、キッチンに直接は入れる戸も付きました。
さらに土間が広い玄関の右手には、だんじりに使う道具が収納できる天井まである収納も備わります。
中央になったダイニングスペースは、床を下げて天井も高くしたことで、広さ以上の開放感が生まれています。
おばあちゃん愛用のミシンが収まる裁縫専用スペースは、引出し式のテーブルと収納椅子で広く使えます。
ちょっと無理している感もありますが、細かく考えられた造りともいえます。
ベンチは下を収納として活用、移動して椅子にも使えます。
ダイニングテーブルは3段式、上部を引っ張り上げるとそのまま座卓に分かれ、さらにもう一つに天板も座卓になり、全部で3つの座卓に分かれるアイデアテーブルです。
よく考えられた、面白いアイデアテーブルなのですが、普通の住まいでここまでは必要なさそうです。
おばあちゃんの寝室はタタミ敷き、天窓から光が入る明るい空間となりました。
壁際には収納を兼ねたタタミベッド、上部には収納も付いてタタミベッドが踏み台にもなります。
窓は高い位置に変えて路地からの視線をずらし、その下の余ったスペースにはテレビ台と収納が備わります。
奥の2間分の押入れは、3段ベッドとなります。
寝室の天井には、天窓の脇に3つの電動式物干し竿が備わり、天窓を活用してしっかり干すことが出来ます。
ダイニングとは、障子で仕切って使うことも出来ます。
広いキッチンは収納を豊富に確保、2つの冷蔵庫もすっきり収まっています。
玄関が見える除き窓も備わり、調理中に来たお客さんを確認することも可能です。
キッチン正面の収納には、スチール格子で調理器具をフックで引っ掛けられる扉が備わります。
システムキッチンには跳ね上げ式の作業台も付き、より広い調理スペースを確保できます。
キッチンの奥が水廻り、ダイニングとキッチンの間から入った正面が洗面所。
左手にトイレ、右手に2つの洗濯機が納まる脱衣室があります。
トイレにも収納を設置、脱衣室にはたっぷりの収納と換気扇が備わります。
奥のお風呂は大きめのシステムバス、小窓も付いて快適に使えます。
今回の 劇的!ビフォーアフター 物件254 孫が玄関で寝る家 は、3段ベッド押入れと豊富な収納アイデアが印象的でした。
普段の快適さはワンルーム的な部屋造りとアイデア家具で確保、さらに多人数にも対応できる空間もしっかり確保していました。
贅沢な玄関収納など、家族のつながりを上手く生かして活用した部分もポイントといえるでしょう。
水廻りも動線がスムーズになったことで、多人数での利用だけでなく、バリアフリーにも対応しやすそうです。
電動部分が多く作りこみが細かく豊富な分だけ、繰り返して使用した際の耐久性は少し気になるかもしれません。
そんな不安以上に、収納や広がるアイデアの豊富さが見事といえそうなリフォーム内容だったといえそうです。