物件255 光が届かない学食 劇的ビフォーアフターのアイデアをチェック
劇的!ビフォーアフター 物件255 光が届かない学食 で紹介されている、リフォームの役に立つアイデアをチェックしましょう。
今回の劇的!ビフォーアフター 物件255 光が届かない学食 は、番組初となる女学校の学生食堂のリフォームとなります。
講堂下にある為に学食が暗くて、買った料理を教室まで運んで食べている状態です。
さらに壁面の多くがガラスで、換気扇の給気口が無い為に締りが悪い扉などで冬は屋外並みに寒く、ゆっくり食事が出来ません。
売店を食堂前に設置したことや、食器返却口やカップ麺用の給湯器が入口に近いことで、昼食時に混雑の原因となっている点も気になる部分です。
厨房では幼稚園や小学校の給食も作っていて、学食利用前に食堂の長テーブルを使って配膳。
そんな動線の複雑さも、使いにくさや女子高の食堂らしさを損なっている原因の一つのようです。
リフォームの予算は3000万円、広く特殊な用途なので予算額としては判断しにくいのですが、しっかり手を加える為の最低限の予算は確保しているようです。
住宅とはあまり関係なさそうですが、明るさを取り入れつつ使いやすくするリフォームのアイデアに注目です。
夏休みが始まり、部活動中の学生総動員による引越しやそのまま使う床の掃除が行われました。
さらに床を養生(保護)する約150枚のベニアを床に張って、いよいよリフォームの開始です。
照明機器を取り外して天井を解体、そのゴミ集めも学生が手伝います。
ここで窓上部のガラス2枚を外して、常時換気しやすいジャロジー窓を取り付け、換気口としての機能を持たせるようです。
さらにコンクリート壁に四角い穴を開けることで、厨房の換気経路を確保しました。
厨房の換気をしっかり確保しつつ、食堂の冷暖房をしっかり働かせるリフォームです。
厨房側の食堂天井部分は従来の高さ?で天井を貼り、他の部分は杉板模様のコンクリートをそのまま魅せるようです。
その下がり壁となった部分全面に鏡を貼って、コンクリート模様を反射して天井の広さを倍に見せる工夫が入ります。
コンクリート天井部分にも幾つかの木枠を取り付け、雲形の合板が張られました。
さらに長い木の枠を16本取り付けて、レール型LEDライトを取り付けて照明レールとしました。
効率が高いLEDをライン状に使って、モダンながら木の穏やかさも感じられる照明としました。
単純に電気の効率だけでいえば最新高効率の蛍光灯が有利なのですが、デザインと長い寿命を重視したようです。
雲形が照明の反射板となって、楽しさを明るさを高めた天井となりました。
ここで食物部の学生が匠や職人さんに料理を差し入れ、さらに茶道部の抹茶のサービス付きで楽しい食事が終了です。
また学生がお父さんと一緒にペンキ塗りのお手伝い、塗りムラを味わいに感じられる塗料を使って楽しく作業が進みました。
匠は工場を見学、間伐材から針葉樹合板を作っている工場です。
そこで作られた合板を加工して、様々なパーツをたくさん作ります。
このパーツを組み合わせ、木のようなオブジェを幾つか作り出しました。
食堂内に固定して、自然のイメージを取り入れつつ、通路の目隠しも兼ねたオブジェとなります。
ガラスの再生工場からガラス瓶のかけらを入手、美術部員が手分けして洗って色分けます。
外壁にある聖母マリアの壁画の裏面となる室内側にも、美術部員が再生ガラス製の壁画を作る計画です。
完成したガラスの壁画は太陽、照明の光を反射してきらきら輝き、陽射しの中にいるようなイメージを食堂に加えました。
ここで食堂の一角に、一段高い床組みを作り、屋外にあるようなデッキスペースを作り出しました。
さらに同じ高さの床を屋外ホールにも設置して、屋外のデッキスペースにつながる時間をつぶせる開放的な空間を生み出しました。
西側には曲面の壁を作って、こちらもホールまではみ出します。
さらに離れた南側に面した屋外スペースまで作って、カフェテラスのような空間をつくります。
食堂を上手く拡張することで、広さを確保しつつコミュニケーションにも活用できる食堂となりました。
食堂部分が屋外にも出たことで広さに余裕ができて、動線もスムーズになるはずです。
リフォームが完成して、食堂入口前のホールには開放的なデッキスペースが完成。
適度に格子で仕切ることで、落ち着いた雰囲気も加えています。
売店を奥に移動することで、出入りしやすくすると共に光を取り入れる結果にもつながりました。
その売店も木の格子で軽く囲い、デッキスペースとつながる印象も加えています。
食堂内も大変身、特に入口近くはウッドデッキ付きのカフェのような楽しい空間となりました。
合板製の円形テーブルにカラフルに塗りなおした椅子、雲形テーブルの中心にはプランターも入ります。
食堂の奥はデザイン照明や木のオブジェでイメージを一新、木製のカウンターも追加されてナチュラルな空間となりました。
さらに大きな壁画が、楽しさや明るさを加えています。
たくさんの椅子は再利用、足は再塗装、座面も素材を張りなおしてモダンで良い座り心地を実現しています。
長テーブルも再塗装や天板の張替えで再利用、数が多いので再利用する際のコストも割安となるはずです。
また空調もリフォームして、快適さを高めているようです。
円形コーナーにも、再利用や合板製のテーブルや椅子を配置。
外のホール側にはみ出した部分は、腰掛けておしゃべりが出来るコミュニケーションの場となりました。
屋外のウッドテラスにも、再利用や合板製のテーブルや椅子を配置。
屋内側を仕切る窓は開放できるので、使い勝手も広がります。
茶道部がこのスペースで実演できる為の敷きタタミや屏風、さらに陽射しを遮るテントも備わりました。
動線が重ならない場所に券売機を移動、木の格子で化粧され、(やりすぎの感もある)日替わりメニューが画面で見られるモニターも付きました。
食堂のもう一つの出入口側にあった配膳車置場は、積み重ねた丸太で囲んで仕切りました。
厨房からつながる、仕切られた配膳車置場となりました。
使用した丸太は、合板を作る際に生じる直径4cmほどの丸棒を活用。
その丸太の小口には、全校の生徒や先生が描いた自分の似顔絵が描き込まれています。
入口から食器返却口までの動線を一方通行に整理することで、混雑を解消。
さらに給湯器は最新型に交換、2箇所に離して配置することで混雑をさらに減らしています。
配膳カウンターは木目調の明るい色に変更、メニューごとに並ぶ場所を示す木彫りの案内板が取り付けられました。
その案内板は、古い学生机の天板を再利用したものです。
厨房内も床など不都合があった部分を改善、噴出し口を自由に変更できるスポットエアコンも設置されました。
食堂内にはさらに、化粧直しも出来る洗面コーナーを設置。
こちらも木の格子で穏やかに仕切っています。
換気通路を変更したことで締まらなかった扉の隙間も無くなり、ホールの余っていたスペースには、焼き立てパンのコーナーも追加されました。
今回の 劇的!ビフォーアフター 物件255 光が届かない学食 は、自由な発想や再利用のアイデアが印象的でした。
余裕のあるホールスペースを食堂として有効活用、さらに屋外にはみ出す作りや木の格子で軽く仕切るなど、住宅リフォームでも活用できそうなアイデアがたくさん見られました。
椅子やテーブルも上手く再利用、さすがに住宅では数が少ないのでコストが問題になりそうですが、再塗装程度なら日曜大工でも出来るはずです。
生徒の手を借りた部分も多く、その為により愛着が増しそうな点も、今回のリフォームのポイントといえそうです。
自分でリフォームしたことで、大切に使う意識も高まります。
今回は住宅ではない学食のリフォームでしたが、自由な発想や自分で出来ることを行う再利用リフォームの考え方や自然や優しさを取り入れるデザインなど、住まいのリフォームにも十分以上に活用できそうなリフォーム内容だったといえそうです。