物件279 波に乗れない家 劇的ビフォーアフターのアイデアをチェック
劇的!ビフォーアフター 物件279 波に乗れない家(神奈川県鎌倉市 岸家) で紹介されている、リフォームの役に立つアイデアをチェックしましょう。
今回の劇的!ビフォーアフター 物件279 波に乗れない家 は、サーファーズハウスに憧れて手に入れた住まいのリフォームとなります。
しかし、その憧れの住まいは海岸から6kmも離れていて、目の前は広い原っぱという現状です。
またホームセンターに勤めるご主人の趣味は日曜大工、週末には自作の玄関ドアやウッドデッキや塀など住まいにいろいろと手を加えています。
その為にインテリアが洋風か和風かわからなくなり、本格的なリフォームを業者に頼もうとするも、車が入れない狭く長い路地でしか道路につながっていないために断
念。
築52年の中古で手に入れた住まいは老朽化が進み、床もかなり傾いています。
水廻りも使いにくく、ご主人の日曜大工でかなり手を加えているものの、さすがに使いやすさは改善できていません。
そこで今回は、安心して暮らせる夢のサーファーズハウスとするリフォームとなります。
このリフォームを機にご主人のお父さんと同居、ご夫婦と一人の息子さんとの3世代4人の住まいとなる予定です。
リフォームの予算は1600万円、建坪12坪で2階も狭い住まいなので予算としては十分以上。
そこで、サーファーズハウスのちょっと使いこなした感じのアンティークデザインと2世帯化のプラン、狭い通路から工事を行うアイデアに注目で、さらに、ご主人の日
曜大工もリフォーム工事のポイントとなりそうです。
通路が狭く運ぶのも大変な引っ越しが済んで、解体前に匠が使えそうなものを確認。
味がある古材を選んで保管した上で、解体開始。
ご主人も作業に参加して、解体作業が進みます。
解体が済むと、柱の傾きがはっきりしました。
風呂廻りの土台が腐っていたり、基礎にひびが入っていたり、構造的な問題も多くみられます。
そこで基礎はべた基礎として立ち上がりも補強、道路から遠いのでアーム搭載のコンクリートポンプ車にパイプを追加してコンクリート打ちとなります。
瓦に野地板も解体して外壁も解体、ジャッキを使って柱の傾きを治します。
そして傷んだ土台を交換そて梁も補強、外壁には構造用合板を追加して補強が完成です。
ここで匠は一家と一緒に出掛けて、匠の自宅を見学。
匠の自宅もサーファーズハウス(過去に渡辺篤史の建物探訪で紹介された住宅です)、そこに使われているラフで古っぽい仕上げや水廻り、屋上テラスなどを確認してい
ます。
ここでリフォーム再開、窓には匠の自宅と同じ格子入りの上げ下げ窓を使用します。
床板は足場材の古材、通常のフローリング材よりかなり厚みがあるので半分にスライスしています。
不揃いの板の幅を合わせて貼るのはかなり大変そうです。
古いフローリング材は短く切って腰板に再利用、トイレの小窓は隙間があっても問題ない内窓として再利用します。
キッチンは古材を利用した匠のオリジナルデザイン、そのキッチン天井にはガルバリウム鋼板の波板を張り付けて不燃・メンテナンスを両立しています。
さらに匠は古材を並べて作った板に白いペンキを塗り、表面を削ってエイジング加工、キッチン扉として利用します。
ガルバリウム鋼板を小さく切って表面の塗装を剥がして、錆を作る塗料を塗って、キッチンカウンターの背板に張り付けてアンティークデザインを強調しています。
今度は、匠が早朝から蚤の市に出かけています。
早い時間に出かけて良いものが売れる前に見て回り、リフォームに使えそうな品々を購入です。
さらに古い食器や金具なども扱っている古材屋さんに出かけて、ここでもパーツを入手します。
それを匠が住まいに取り付けて、リフォームの完成です。
リフォームが完了して、外観がサーファーズハウスに一新。
塀は白く塗り直して屋根は青色となり、明るい印象となりました。
ご主人が友人と一緒に張った木板の外壁は木目を生かした塗装で、玄関テラス上の庇は透明となりました。
アプローチは枕木で、再利用したレンガを床に張った屋外シャワーも備わります。
ポーチの手摺には、サーフボードで作ったウェルカムボードが取り付けられています。
玄関ドアはイギリス製のアンティーク品、中はテラコッタの床に、廃材をパッチワークのように張った収納扉が備わります。
外部の玄関テラスに面する形でワンルームのLDKとなり、古い食台は足を短くしてリビングのテーブルとして再利用。
玄関の仕切りを兼ねたテレビ台が、収納にもなっています。
その横には、踏板と側桁を組み合わせたオープンな階段。
その下にアップライトのピアノが置かれています。
天井にはアンティークの天井扇付、高さは一般的なのですが、近い分だけ存在感が強調されます。
照明は蚤の市で見つけたアンティーク品で、食台は生け簀に使っていた古材を使って作ったそうです。
そのダイニングスペースは、大きなアルミサッシの窓を開放すると玄関テラスと一体空間となり広がります。
テラスは、サーフボード型のウェルカムボードを外してローテーブルとして使える工夫付きです。
キッチンは対面式のL字型、シンクが対面でLDKを見渡せ、ガスコンロが壁付きとなります。
天板はステンレス、アンティークな扉付きで背面収納の天板はメキシコタイル仕上げです。
脇には小さめのパントリー付。
ご夫婦作のガラス製ランプシェード付きのペアランプが、キッチン照明となります。
水廻りは場所はそのまま、アンティーク扉付きの脱衣室を兼ねる洗面所となりました。
洗面台はメキシコタイル仕上げの古材扉、上に据え置き型の洗面器が置かれます。
古材枠の鏡に船舶照明付で、隣が袖壁で区切られる洗濯機置き場です。
浴室の天井はレッドシダー、壁はモルタルに防水塗装で床と浴槽立ち上がりがタイル仕上げ。
水栓も、アンティークデザインでまとめています。
玄関の左手がおじいちゃんの寝室。
こちらは綺麗なフローリング床で安全性を重視、腰板に天井も板仕上げで、高い天井にロフトも付きます。
クローゼット付きで、窓外のご主人作のウッドデッキは補強して塗りなおして活用しています。
塀で囲んで視線を遮り、物干し場としても使える空間です。
寝室隣の階段横がトイレ、こちらもアンティークデザインでまとめています。
タンクレストイレに手洗い付です。
オープンな階段を上がると、ご夫婦の寝室。
3つの上げ下げ窓の先には、緑の空き地が広がります。
出入り口の引き戸はやはりイギリスのアンティーク品、階段へ明かりを落とす窓(トイレ窓の再利用)付きです。
クローゼットに小屋裏収納を加えて、収納量を確保しています。
2階の寝室を広めに確保して、子供が成長したら区切って使うのでしょう。
今回の 劇的!ビフォーアフター 物件279 波に乗れない家(神奈川県鎌倉市 岸家) は、玄関デッキを生かしたサーファーズハウスのデザインが印象的でした。
LDKを中心として個室は必要最小限、シンプルなプランとすることで3世代4人でも狭さを感じにくい住まいとなったようです。
アイテムや金物までデザインを統一することで、より個性的なデザインが引き立っていました。
古材廃材の利用も含めて、自然を大切にするリフォームの好例としても参考にできるアイデア豊富な内容だったといえそうです。