物件210 命がけで庭いじりする家 劇的ビフォーアフターのアイデアをチェック
劇的!ビフォーアフター 物件207 敷地千坪の庭(前編) で出てきたアイデアをチェックしましょう。
劇的!ビフォーアフター 物件210 命がけで庭いじりする家 で紹介されている、リフォームの役に立つアイデアをチェックしましょう。
今回の劇的!ビフォーアフター 物件210 命がけで庭いじりする家 は、庭の幅が50cm程しかない、しかも道路から2mほど高い位置にある住まいのリフォームです。
高い石垣の上に建つ住まいは玄関へのアプローチも急な階段で、室内もかなり狭く、水廻りなどが使いにくい状態です。
隣地の建物と極めて近いので、窓を開けても光や風がほとんど入らない、条件の厳しい物件のリフォームとなります。
機能を整理して狭い住まいの使いやすさを改善しつつ、いかに庭を安全に使えるようにリフォームするのか、興味深いところです。
解体が進むと、床下の地面から水が漏れていました。
近隣の雨水の排水が、家の下の地面に漏れ出していたようです。
その為に近くの土台や柱が腐れて、ボロボロの状態です。
そこで地盤にセメントを注入して地盤を改良、地盤を補強した上で、さらに基礎を鉄筋コンクリートで補強します。
その上で傷んだ土台や柱を取替え、断熱材を取り付けます。
階段はゆっくりした勾配に作り直し、壁も合板で補強しています。
補強の方法としては、堅実な手法といえるでしょう。
庭に面した出窓を無くして庭の有効幅を広げ、窓を大きくして明るさや通風を確保します。
建物の地盤が高いので道路を歩く人の視線も気にならず、効果的な窓に変更です。
新しいシステムキッチンは見通しよく作られた、特注のものです。
流しとコンロを別にして、見通しを確保しつつ、コンパクトで使いやすい配置としています。
台所の床が20cmほど下がっています。
リビングにいる家族との視線を考えると効果的ですが、慣れないとつまづく危険性も高い方法です。
キッチン脇の廊下から、キッチン上部の収納を使えるところは面白いアイデア収納です。
その分キッチンの天井はかなり低くなりますが、収納を確保する手段としては効果的でしょう。
そのキッチンには古い浴槽を再利用した床下収納を設置、昇降機能を組み込んで、床下でも使いやすい収納となります。
浴槽の再利用は別として(収納は木の箱を作っているので、コンクリート枠で作っても同じこと、つまり浴槽の再利用よりもコンクリートで より広く作れるはず)、昇降式の床下収納は使いやすそうです。
板ばねを利用した昇降装置は、重さのバランスを考えて作れば、よりいろいろな場所で活用できるでしょう。
古い板材を再利用して板を作り、石垣部分の型枠としました。
そこに鉄筋を配してコンクリートを流し込み、石垣を補強する、木の板の表情を写した擁壁が完成です。
リフォームが完成して、屋根は片流れに変更しています。
そして側面に窓を取り、明るさと通風を確保しました。
門扉には焼き杉の戸を採用、玄関扉を奥に移動して外階段も緩やかに変更、手摺も追加されています。
安全と採光を確保する、手堅い手法が見られます。
玄関には、壁の厚みを利用した鏡の扉の薄型下足入れが付きました。
1階はリビングダイニングキッチンで、リビング部分は畳敷きで、建具で仕切れます。
畳リビングには掘りゴタツが備わり、大きくなった窓を介して庭につながります。
庭は1m程の坪庭に拡大され、お父さん自作の灯篭や雨受けを設置しました。
穴あきブロックの手摺壁は、鉢植え用の棚を差し込んで使えるアイデアが追加されています。
小さいゆえに使いやすくまとめた、センスを感じる庭が出来ました。
リビングの壁には一面全てに収納が付き、趣味のカラオケセットと日舞の小道具を収める収納も備わります。
家族の趣味をしっかり汲み取った収納は、かなり使いやすそうです。
キッチン部分は適度な目隠し部分を収納として活用、また流しの天板を広くすることで、孫とのお菓子作りも楽しめる配慮がなされています。
キッチンの脇がトイレ、その奥には洗面所と浴室のスペースを確保しています。
トイレの配置(キッチンの隣)が気になりますが、これは仕方の無いところでしょう。
浴室は隙間からスリットのような光が入る作りで、かなり手が込んでいます。
その為に明るく、通風も確保されました。
寸法としてはちょっと際どい細さですが、採光を取るための手段としては効果的です。
2階は側面の高窓から明かりが入り、ロフト付きの広い空間が確保されました。
客間も出来て、飾り棚兼階段を使ってロフトに上がります。
広いロフトは網の手摺付きで、安全と採光を兼ねているようです。
2階の寝室はお母さんのタンスが納まるクローゼット付きで、収納量もしっかり確保しています。
壁には奥行きが浅い棚付きで使い勝手を向上、障子で仕切ったテーブルスペースも出来ました。
仕切りの必要性には少し疑問がありますが、味のある空間を演出しています。
今回の 劇的!ビフォーアフター 物件210 命がけで庭いじりする家 は、狭いスペースながら出窓などの無駄を省くことで庭を使いやすく改善したところが印象的です。
屋根を片流れにすることで、明るさとロフト空間を追加しているところも、注目すべきポイントといえるでしょう。
細かな使いやすい収納のアイデアを含めて、狭い住まいのリフォームの良い参考書となるリフォームだったといえそうです。