住まいのリフォーム・リノベーション、タイトル画像

物件248 布団を投げあう家

劇的ビフォーアフターのアイデアをチェック    住まいのリフォーム・リノベーション

 


劇的ビフォーアフターのアイデアをチェック



隣家で食事する家


布団を投げあう家


台所でシャワーを浴びる家(前編)


 

住まいのリフォーム・リノベーション
では、
住まいのいろいろな改修方法や
必要なコスト、快適さの追加や
エコロジーや節約ポイントを紹介。

計画や工事のチェックポイントや
リフォームが必要な時期など、
住まいのリフォーム・リノベーション情報が満載です。

 

物件248 布団を投げあう家  劇的ビフォーアフターのアイデアをチェック

劇的!ビフォーアフター 物件248 布団を投げあう家 で紹介されている、リフォームの役に立つアイデアをチェックしましょう。
今回の劇的!ビフォーアフター 布団を投げあう家 は、四姉妹と四女の旦那さんの5人の為の住まいです。
屋根の高さが違う3軒がつながった形で、自転車屋さん併用住宅の店舗部分中央から続く土間が、部屋を左右に分断した状態。
屋根はかなり新しく、中央部分の外壁も新しいのですが、その両側2軒は古さが感じられます。
今回は、安心して老後を送れる終の住処とする為のリフォーム・リノベーションです。

昔の店舗部分の引き違い窓が玄関なのですが、住まいとしては道路から丸見えで、外から鍵も掛けられません。
土間の先にある裏の勝手口が玄関代わり、屋根と壁の継ぎ目の隙間(これは古い家では小屋裏を乾燥させる為にスタンダードなつくりなのですが、現在では断熱の問題があるので隙間無しです)がそのまま見えています。
さらに床下も古い住まいの作りらしく素通りで、しかも土間がある為に外気と屋内がつながった状態です。

土間と畳の間の段差は50cm以上あり、部屋を移動する為にその段差を毎回上り下りする必要があります。
特に病気の後遺症が残る5女に取っては、段差で転んで危険な場所でもあるのです。
台所の床は低く、天井も低い状態です。
飲み水以外は井戸水を利用、その水廻りは仮設のようなつくりで、やはり暑さや寒さが厳しいようです。
浴室内を脱衣スペースとしている状態で窓の先は台所、増築の結果不思議なつくりとなってしまいました。
トイレは別棟の汲み取り式、ここにも古さが感じられます。

リフォーム予算は2100万円とそこそこ豊富、ですが作りの古さが目立つので、基礎の補強を含めて、かなりの手間がかかりそうです。
そこで使っていない店舗や屋根が低い台所と別棟のトイレを含めて、どこまで無駄を省きつつ、使いやすくまとめるアイデアに注目といえそうです。

使える物を保存しつつ解体してみると、柱の足元がシロアリの被害を受けていたり、柱を支える束石が排水溝のフチに引っかかっているだけの状態だったり、現在としては細い梁材や3軒バラバラの構造など、全体的な構造的にかなり問題があります。
そこで排水溝上となる部分は解体、建物の足元を切り取り、土台を差し込みます。
その土台を利用して建物を持ち上げ、その下にしっかりした鉄筋コンクリートの基礎を作りました。
さらに細い梁を補強、離れていた3軒の柱も緊結して一体化しました。

低い部分の屋根を解体、真ん中の屋根に高さを合わせて、天井高さを確保。
そして井戸の真上の屋根下地を切り取り、2m角ほどの屋外スペースとしました。
新しかった瓦は再利用して、屋根部分の完成です。
断熱材をしっかり入れて、床も段差無く仕上げます。

ここで四女夫婦が開店予定のお好み焼き屋さんのために、ひそかに?大工さんたちと試食会が行われます。
宮崎地鶏を使ったオリジナルお好み焼きが好評で、メインメニューとなりそうです。
番組で紹介されることで、宣伝効果も期待できますね。

正面の外壁の一部を引っ込ませて、その奥に住居用の玄関を作りました。
その隣の店舗用の出入口も小さめにして、その上にこけら葺きの庇を追加です。
店舗部分の外壁は板貼り風サイディング、さらに部分的にサイディングを2重貼りすることで陰影を生み出しました。

5坪ほどの店舗部分には、中央に腰壁を作りカウンターを設置。
赤く塗られた思い出の柱はそのまま、思い出を残しつつインテリアのアクセントとしています。

住居用の玄関はドアが2つ、側面のドアは道路面からスロープでつながるバリアフリー対応です。
玄関の木製引き戸は大きな取っ手付き、横スリットのガラスからは光が入り、開閉式の横スリットは網戸付きで通風も可能な多機能タイプです。
元々の通り土間を中廊下として、玄関から勝手口まで風が通る配慮がされています。

店舗の隣がダイニングキッチン、中廊下を解して新しいリビングスペースとつながります。
全開できる建具で仕切ることで、ワンルーム的に広く使えます。
中廊下の上には天窓つきで明るいのですが、夏は暑くなりそうです。

キッチンは壁付きで大きめのタイプで、複数人での使いやすさに配慮。
店舗は、このキッチンと住居用玄関に通じていて、回れる動線で使いやすさを高めています。
敷地の空いたスペースに浄化槽を設置、店舗併用なので大きなサイズとなっています。

ここで匠はシラス採取場を訪れてシラスを入手、水とスサを混ぜて、店舗の壁に塗っていきます。
シラスの多孔質が料理の臭い消しとなる目的のようですが、店舗は出る匂いが段違いに多いので、しばらくしたら効果は下がりそうです。
さらに住居の壁も同じ塗り壁、こちらは店舗からのにおいを防ぐ意味でも高い効果が期待できそうです。
店舗用の厨房機器には中古品を活用して、コストを抑えます。

井戸がある中庭にはモミジを植えて踏み石を置き、川の流れのようにシラスをタタキとして利用。
井戸にも珪藻土を塗って仕上げます。
残った部分に野草とコケと玉砂利を敷いて、中庭の完成です。
(パッと見には排水口が見えなかったので、どうしているのか気になるところです。)

勝手口そばの個室の壁一面に木製の箱を並べ、階段を作りました。
高さを上げた屋根裏を活用したロフトに通じる階段です。
収納を兼ねる箱階段で、ロフトはタタミ敷きの3畳半ほどの書斎として使え、その他にも収納スペースがあります。
新しく同居となる、四女のご主人が息抜きしやすい、隠れ家的な空間です。
手摺の柵に収納できる折りたたみ式の机も備わり、布団などが置けるスペースもあります。
熱溜まり防止として、北面と中庭面に小窓が付いています。


リフォームが完成して、店舗部分はブラック調、その他はアイボリー系の外壁でまとまりました。
店舗の前にはウッドデッキにベンチ付きの腰壁が備わり、屋外でお好み焼きを食べることも出来ます。
入口の大きな木製引き戸は、ちょっと古風な格子のデザインでまとめています。
店の表札は、かつて家具職人だった匠の作です。

店舗の中の壁は腰板仕上げ、逆三角形の窓やクロークも備わります。
赤い柱には古い自転車の技術検定合格店の看板も付きますが、これはちょっと微妙かもしれません。
店舗専用のトイレも備わり、玄関やキッチンに通じる扉は古い建具を再利用です。
勝手口の脇には、大事に使われてきた古い水屋ダンスを再利用しています。

住宅用玄関には、天井までの高さがある下駄箱がそなわります。
折りたたみ式のベンチや手摺も備わりますが、ベンチ周りにも手摺が欲しいところでしょうか。

玄関と扉で仕切られるダイニングキッチンは、壁付きキッチンの背面には、ダイニングテーブルにぶつかるように腰壁付きの対面式カウンターが備わります。
キッチン前ではなく、このカウンターを隠す腰壁をタイルで仕上げているところが個性的です。
このダイニングキッチンには、自転車店で使っていた、真っ赤な道具入れの油で汚れた中身だけを作り直し、食器棚として再利用しています。

隣の3畳の座敷(リビング)には、仏間が備わりました。
4枚引きの障子でダイニングキッチンと仕切ることが出来、客間としても使えます。

キッチンの隣が水廻り、広いカウンター付きの洗面台に洗濯機置き場も確保されています。
段差無くつながるバリアフリー対応の浴室は、洗い場の床にコルクタイルを使用して、滑りにくく足に優しい配慮付きです。
耐久性の面では微妙ですが、機能を考えると納得できる選択といえるでしょう。
壁と天井は木目調仕上げ、浴室暖房乾燥機と物干しバーが備わりますが、入浴時のヒートショックを軽減するには、お湯で暖まる浴室よりも服を脱ぐ脱衣室の方がよりポイントとなります。
洗面所は廊下からも出入できます。

床は柔らかい桐の床材を採用することで、足への負担の減らしています。
5女の個室は壁に飾り棚をつけただけで、収納は大事に使ってきた家具を活用。
トイレは土間だった中廊下と洗面所をつなぐ廊下に面して配置して、最短距離で使える配慮をしています。

中庭は一面が壁、2面がハメ殺しの腰高窓で、1面が引き違いの窓となります。
2面の窓の上部は壁として、上部のハイサイドライトから降り注ぐ陽射しを強調しています。

四女夫婦の寝室は天井が高く、さらにロフト付きで余裕がある空間です。
ロフトの押入れ空間はロールブラインドで仕切られ、子供が遊びに来て泊まるスペースにもなります。

姉の2人にもそれぞれ個室があり、奥行きが深いクローゼットは2人の部屋の両側から使うことが出来る共用スペースです。
壁紙はそれぞれ好きな色を選んでつかっています。
勝手口の先の物干し場は広いウッドデッキとなり、目隠しの格子壁付きで、お茶を楽しめる空間にもなります。


今回の 劇的!ビフォーアフター 物件248 布団を投げあう家 は、建物の中央を走る土間を中廊下として活用したところがポイントでした。
店舗部分は屋外にデッキを作ることで室内面積を最小限に抑え、減築して引っ込めた玄関から裏の勝手口まで風が抜ける元々の住まいが持っていた特長を生かしていました。
思い出の家具の再利用もポイントで、新しさと懐かしさが家具だけでなくプランにも残っていたようです。

個室が多いので、プランや柱位置の変更を最小限に抑えられたところも特徴といえそうです。
その上でロフトや中庭を作り出し、明るさや暮らしやすさを高めていました。
思い出を最大限に残しつつ、新しさと使いやすさを加えた内容は、心に残るリフォームの好例だったといえそうです。

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