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物件250 宴会場で寝る家

劇的ビフォーアフターのアイデアをチェック    住まいのリフォーム・リノベーション

 


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住まいのリフォーム・リノベーション
では、
住まいのいろいろな改修方法や
必要なコスト、快適さの追加や
エコロジーや節約ポイントを紹介。

計画や工事のチェックポイントや
リフォームが必要な時期など、
住まいのリフォーム・リノベーション情報が満載です。

 

物件250 宴会場で寝る家  劇的ビフォーアフターのアイデアをチェック

劇的!ビフォーアフター 物件250 宴会場で寝る家 で紹介されている、リフォームの役に立つアイデアをチェックしましょう。

今回の劇的!ビフォーアフター 物件250 宴会場で寝る家 は、親子2代で経営する寿司屋を兼ねる住宅のリフォームです。
家族は親子3人、仕事の間まで3人一緒なので、仕事以外は一人でゆっくり静かに暮らすスペースが欲しいところです。

しかし2階にある3人の個室は、昔宴会場だった大広間を簡易に仕切っただけなので、音が簡単に漏れてしまいます。
長い廊下は昼間でも真っ暗、大きな音のテレビを付け忘れて寝るお父さんの癖で、他の家族は睡眠不足状態。
お洗面台付きの小さなユニットバスの風呂場には、息子さんの部屋から入る形なので落ち着きません。

一階の寿司屋の店舗部分には立派な尾州檜(木曽檜)のカウンターがありますが、こちらも同時にリフォーム予定。
洗面所脇には鞍馬石のツクバイが置かれ、和風の雰囲気を強調しています。
とはいえトイレが和式だったり、広い厨房や内装にも古さが見られます。

リフォーム予算は2200万円、不足はしないものの店舗部分には必要以上にコストは掛けられないというくらいでしょうか。
2階は元々宴会場なので、壁の配置は自由になりそうです。
そこで2階の使いやすさと快適さを重視したリフォームに加えて、店舗部分については、無駄なく手を加えるアイデアに注目でしょう。

改修前の盛況だった最終営業日の後に引越しが済んで、再利用する部分を慎重に取り外して保管、そして解体開始です。
解体してみると、2階の床を支える鉄骨のラチス梁が見えます。
水を使うツクバイや洗面・トイレ廻りの土台や柱の根元が、腐ってボロボロになっています。
鉄骨を支える柱も足元が腐り、上の梁が外れている状態。
日常の床の水洗いによって内部から傷んで、危険な状態となっていたようです。

セメント瓦を撤去して、新たに野地板の合板を設置、ルーフィングの上にガルバリウム鋼板の立ハゼ葺きとして屋根を軽くしました。
トップライトも一箇所設置したようで、廊下か水廻りの暗さ対策でしょう。
外周を外から支え、建物を浮かせて立ち上がりのある基礎を新たに作ります。
水廻りにもしっかり基礎をつくって、新たに檜の化粧土台などを追加。
土台を見せることで乾燥しやすく、腐りにくくする計画です。
さらに傷んだ柱を補強、一部の鉄骨梁を木の梁(多分天井で見せるのでしょう)に交換したりして、丈夫な構造となりました。

ここで、お父さんと匠は、匠がリフォームした一つの旅館を訪れます。
石畳の先に格式の高い旅館があり、ここを見学しつつ、新しい店舗のイメージを見て確認しているようです。
店舗正面の出窓や壁を撤去、一部を引っ込ませています。
さらに従来の玄関部分をアプローチとして外部としたことで、ゆっくり出入できる店舗の玄関となりました。

入口近くにカウンター席を移動、客席側の床を20cm上げることで、大将とお客の視線を合わせつつ、カウンターの高さを抑えました。
奥には10人ほどが入る宴会場の和室、扉付きで個室として使えます。
厨房と板場をつなぎ中央にホールへの出入口を配置、段差があるものの、お母さんの動線を短くしています。
厨房と板場の床には中央に排水ピットが走り、床を水洗いした水がスムーズに排出する工夫も追加しているようです。

ここでL字型の大きな木枠を持ち込み、正面の壁に固定しました。
そこに金色で八の文字が描かれた大きな板をはめ込み、メインの看板とすると共に、L字型にガラスが入ることで、店内の様子が伺える正面となりました。
寿司屋の屋号である かね八 の かね をL字型で表現(かね尺(直角L字型の定規)に慣れている建築関係者ならではの発想でしょう)、八はそのままで、古い常連客なら屋号が想像できそうです。
板部分は檜の表面をバーナーで焼き、表面をこすって木目を浮かび上がらせる浮造り仕上げです。

ここで表面を薄く削って再生した店舗の上質な米松板(ピーラー)を運び込み、店舗の腰壁板として再利用です。
立派な檜板のカウンターも表面を削って再利用、付け台の幅を広げて使いやすさを高めています。
板場には、冷蔵庫やガスコンロも追加されました。

鉄骨のフレームに木曽石を薄く切って貼った、重厚感のある壁を店の脇にある窓の外に設置しています。
キャスター付きの可動式で、下から照明を当てることで岩肌が浮かび上がります。
寿司を握る大将の背景が大きな岩肌となる、店舗らしい演出で、ツクバイなど石にこだわりが強い大将も現しているのです。
石の積み方は笑い積みと呼ばれる形で、縁起が良い石の壁でもあり、水を流す仕組みも追加されています。
石の壁はスライド可能で、メンテナンスのしやすさも確保しています。


リフォームが完成して、外観はクリーム色の壁に窓に付く木の面格子が際立つ、スタンダードな和風の外観に変わりました。
正面の八の文字は、夜には照明で浮かび上がり、その下は砂利敷きで和の店を強調しています。
新しく出来たアプローチ部分にツクバイなどを再利用して石庭を再現、床は石畳として店の雰囲気を高めています。

店舗の床が上がった分、カウンター前がスロープとなっていますが、これはカウンターに近すぎて、お客さんが移動するときにちょっと危険かもしれません。
L字の窓の脇にクロークを追加、元の位置に戻った千社札の下は上着掛けとして、女性客の使いやすさを高めています。
広くなった洗面所の壁は消臭効果のある珪藻土を利用、ピーラーの腰壁を再利用、トイレも洋風となりました。
厨房をコンパクトにして二間の個室を追加、建具を外せば10人入る広間となります。
殺風景な窓の外は木の面格子を追加して遮り、和の雰囲気を高めます。

板場には収納スペースも追加、息子さんが作る寿司以外のメニューにもしっかり対応します。
カウンターの上の付け台は幅を広げて出来た料理をおきやすく改善、檜で作ったネタケースも追加されています。
ガスコンロ周りは換気量を多く確保、出る臭いが寿司に影響しないように配慮されています。
コンパクトになった厨房は機器を無駄なく再利用、カウンター席の後ろには配膳室を設けていますが、ここは事務スペースにもなります。

店の裏側には、厨房に入る勝手口とは別に、住居専用の玄関が付きました。
住居用の玄関には、厨房につながるドアもつきます。
2階へ上がる階段の壁を利用した下足入れを付け、階段の途中には天井裏を利用した3畳ほどの収納スペースを確保。
出前用の道具が収納できますが、普段使うにしては微妙な位置です。

2階に上がると小屋の丸太を見せて天井を高くした、リビングダイニングキッチンが広がります。
食卓の照明には店の照明を再利用、食卓の天板も店の扉や付け台を再利用したものです。
壁付きキッチンの背面には造り付けの食器棚を配置、食卓の南側には大きな窓の外にインナーバルコニーが付き、明るさを取り入れると共に物干しスペースを確保しています。

リビングダイニングから続く廊下に沿って、個室が並びます。
一番手前がテレビをつけっぱなしにして寝てしまうお父さんの部屋、廊下で間隔をあけて音が漏れても気にならない配置としています。
その先にお母さんと息子さんの部屋、大きな窓が2つ付く明るい個室です。
クローゼットもしっかり追加、部屋がすっきり収まります。

長い廊下には天窓が付いて明るさを確保、お父さんの部屋を分けるスペースは天井が高く、読書スペースも確保しています。
隣はトイレ、各部屋から最短距離で使えます。
廊下を介して、お父さんの部屋の向かい側が洗面所と浴室。
広めで収納付きの洗面台に、木質壁の広いシステムバスがつながります。
小屋裏収納も3畳分確保、収納力を高めています。


今回の 劇的!ビフォーアフター 物件250 宴会場で寝る家 は、店舗に使われていた上質材の再利用と、上手く整理された2階の生活空間がポイントでした。
店舗は材料を上手く再利用することで、かけたリフォームコスト以上の上質感を確保。
さらに石の壁や木の看板など、遊びの要素を加えて、上手くまとめていました。

2階は開放的な作りを生かしてLDK空間を追加、個室にも十分な広さを確保しつつ、水廻りも広げていました。
中廊下の暗さの弱点はトップライトで解消して、防音を兼ねた読書スペースまで確保する工夫が印象的でした。
店舗に工夫と遊び、住まいに使いやすさと機能を加えた、良質なリフォーム内容は、普通の店舗や住まいのリフォームにも参考に出来る内容だったといえそうです。

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