物件261 階段が邪魔な家(前編) 劇的ビフォーアフターのアイデアをチェック
劇的!ビフォーアフター 物件261 階段が邪魔な家(前編)(名古屋市瑞穂区 兼田家) で紹介されている、リフォームの役に立つアイデアをチェックしましょう。
今回の劇的!ビフォーアフター 物件261 階段が邪魔な家 は、ご両親と長男3人家族の住まいのリフォームです。
築41年木造2階建ての住まいは、建坪が12坪と小さな家。
DK内の洗面所に食卓横のトイレ、さらに脱衣室がない浴室もキッチン横で小さな浴槽と厳しい水廻り。
ご両親の寝室へ上がる階段と長男さんの部屋へ上がる階段が別と、狭い住宅のわりには無駄な作りも見られます。
玄関脇の日当たりの良い部屋が2畳しかないために物置となっていたり、6畳の居間には大きなマッサージチェアーが置かれたり、ガスコンロ前に置かれた盛付け台としても使っている洗濯機など、使う上での問題点も多く見受けられます。
2階の2部屋は襖で仕切られるだけで、さらに段差付と、増築した際の計画の悪さも目立ちます。
リフォームの予算は1400万円と、同じ広さの新築に届くほど豊富。
広さ自体は2階で24坪?程あるので、細長い形状の不利はあるものの、3人家族の住宅として狭すぎて困るほどでもなさそうです。
そこでご両親の為のバリアフリーも含めて、使いやすい水廻りと構造補強、さらに1階と2階の使い分けなどがリフォームのポイントとなりそうです。
引越しの途中で、結婚で独立した長女さんが頻繁に家に泊まりにくることが判明。
天井がかなり高く10畳もの広さがある小屋裏部屋があることも分かり、広さの点では有利となりますが、予算の点では厳しくなります。
しかも現在の法律には違反していて、このままだと3階建て扱い。
撤去(天井高さを下げる)するか、3階建ての構造条件などをクリアする必要が生じます。
引越しが済んで、残す場所をしっかり確認しつつ解体が始まります。
大まかな解体が終わると、古いはじめに建てた部分と増築部分は木構造が完全に分離していて、さらに古い部分の基礎がブロックで高さが120cmもある地震に非常に弱い基礎であることが判明。
古いブロック基礎は、通常浴室周りだけを高くすることはあったのですが、全体的に高いのは稀です。
ただ基礎が高い分、土台や柱の腐食などが見られない点は救いがあります。
まず別構造となっている新旧の繋ぎ目部分は、構造用合板やボルトなどで一体化。
隣家が近く基礎を作り変えることが困難なので、ブロックの内側に鉄筋コンクリートの地中梁を作り、ブロックに差し筋をしてコンクリート地中梁とブロック下部を一体化。
さらにその地中梁に鉄板を固定、さらに土台や柱梁と鉄骨を固定することで、地中梁と鉄骨を介して木構造やブロック上部を支える形としました。
2間しかない幅を確保しつつ補強できる、スマートな補強法といえそうです。
段差のあった2階部分は、低い古い部分の床を高くしてあわせます。
ここで一畳分の2階床を切り取り、1階まで陽射しを落とす工夫を加えました。
さらに残した階段の横の壁も撤去、明るい2階の明かりを階段からも1階に落とします。
古い部分の断熱材には現場発泡の発泡ウレタン断熱材を採用、グラスウールよりコストは高目となりますが、隙間がほとんど無くなるので断熱効果も高くなります。
増築部分の外壁は土壁をそのまま残し、上から板状断熱材を貼り付けました。
住まいの一番奥にシステムバスを設置、床下にもしっかり断熱材を入れていますが、階段を撤去した部分の床は張らずに残しています。
2階にも床は張らず、ここに新たな階段を設置しています。
今回の 劇的!ビフォーアフター 物件261 階段が邪魔な家(名古屋市瑞穂区 兼田家) は、ここまで。
せっかく一つに絞った階段を、なぜ2つに戻したのかという疑問を残しつつ、次回に続きます。