住まいのリフォーム・リノベーション、タイトル画像

物件262 日に日に傾く家

劇的ビフォーアフターのアイデアをチェック    住まいのリフォーム・リノベーション

 


劇的ビフォーアフターのアイデアをチェック



母親と同居できない家


日に日に傾く家


階段が邪魔な家(後編)


 

住まいのリフォーム・リノベーション
では、
住まいのいろいろな改修方法や
必要なコスト、快適さの追加や
エコロジーや節約ポイントを紹介。

計画や工事のチェックポイントや
リフォームが必要な時期など、
住まいのリフォーム・リノベーション情報が満載です。

 

物件262 日に日に傾く家  劇的ビフォーアフターのアイデアをチェック

劇的!ビフォーアフター 物件262 日に日に傾く家(東京都武蔵野市 谷口家) で紹介されている、リフォームの役に立つアイデアをチェックしましょう。

今回の劇的!ビフォーアフター 物件262 日に日に傾く家 は、お母さんの住む実家に娘さん夫婦とお子さん二人の5人が同居することになる住まいのリフォームです。
築60年で建坪25坪の木造2階建ての住まいは、敷地の入口と道路との段差が30cm程あり急なスロープで玄関に続く状態で、敷地全体は道路から1m50cmほどの高さがあります。
その段差がある道路ギリギリまで建物が建っていて、道路ギリギリに増築した為に塀(擁壁)が耐え切れず、道路側に押し出される状態。
その為に室内の床も傾き、不安で危険な現状なのです。
やはり古い住まいの水廻りも狭く使いにくく、ぶつかる戸や古く隙間が出来た木窓など不便さや寒さも気になるところ。

リフォーム予算は3000万円と、少し大きめの住まいを新築可能なほど豊富。
そこで道路側部分の必要最小限の減築と玄関までのアプローチの改善、さらに思い出を残しつつバリアフリーで使いやすい住まいとするリフォーム内容などに注目となりそうです。

引越しが済んで残すものを選びつつ解体してみると、やはり基礎部分から大きな傾きが見られ、基礎コンクリートも破断。
基礎が落ち込んだことで外れてしまった土台もあって、とても危険な状態です。
ここで重い屋根瓦を撤去、道路面の壁も撤去して軽量化。
さらに大きな木組みを梁下に入れ込んで、工事中の住宅を支える仮の支持としました。
減築しないために、擁壁を兼ねる基礎を作るようです。

既存の鉄筋が入っていない基礎や傷んだ塀(擁壁)を慎重に撤去、地盤も必要分だけ撤去して、土留めを行います。
そこに、鉄筋コンクリートの擁壁を兼ねる基礎(配筋がシングルですが、大丈夫なのでしょうか)を作りました。
コンクリート擁壁の内側を土で埋め戻し、既存の柱は高さを土台に合わせてカットした上に、新たな柱を添わせて補強。
ここでサポートの木組を外し、分解して住まいを作る木材として再利用します。
内部にもコンクリートの床を作り、擁壁基礎と一体化することでしっかり補強しました。

屋根は現在では珍しいアスファルトシングル葺き、軽さに加えて増築を繰り返して出来た複雑な屋根型に対応しやすい点で採用したようです。
ただせっかく屋根を外したのですから、屋根の形も少し整理した方が雨漏りに対してより安心できたかもしれません。
ここで番組時間に余裕があるスペシャルらしく?、たくさんなっていた庭の柿やユズを収穫。
庭の掃除も行って、柿やユズを現場の人たちに差し入れしています。
整理された庭が資材置き場となり、工事が進みます。

床下や壁などにもしっかり断熱材を入れて、断熱性能を確保。
対面式となるシステムキッチンを、LDKの庭が見える窓の正面に配置しています。
筋かいを残しつつ窓の幅を広げて、より明かるさを確保しています。
床には電気式の床暖房を入れて、家族が集まる空間の快適さを高めます。
その床暖房は自動温度調整が働く最近流行のタイプのようで、長い時間寝転がっても低温火傷しにくくなります。
システムキッチンのステンレスワークトップは、奥行きが大きなカウンター一体タイプで、対面から調理を手伝うことも出来ます。
入口は袖壁で区切られますが、視界が開けた開放的なキッチンです。

ここでアプローチ部分を解体、一部の庭の土を削って敷地の角までの塀も解体しています。
そこに鉄筋コンクリートで新たなアプローチを作ります。
アプローチとして長いスロープと階段の両方を作り、入口は敷地の角に移動しました。
コンクリートのスロープ床には水道管のパッキンを埋め込んでへこみを付け、固まってからゴムを外してスベリ止めとしました。
手摺には波型を採用、長くなった階段までの通路部分は駐輪スペースとして活用して、段差がなく置けるので使いやすく屋根も付きます。
玄関正面に、亡きおじいさんの似顔絵を木板に転写したパネルを飾って、リフォームの完成です。


リフォームが完成して、庭側の茶色い屋根はそのまま、他の瓦屋根は似た色のアスファルトシングル葺きになりました。
外壁は腰板をなくして白で統一、スッキリした印象です。
道路側の基礎擁壁と道路の間は樹木スペース、窓の高さは全面木の格子として周囲に優しくプライバシーも確保しています。
アプローチはコンクリート打ち放し仕上げ、コンクリート壁に開口をつけたり木の目隠しを取り付けて、気配が分かりつつプライバシーをコントロール。
以前と同じ位置となる玄関の格子戸はデザインをそのまま少し高くして再現、気密性も高めています。
玄関床の段差は標準くらいまで低くして、玄関収納と飾り棚のスペースも確保。
正面の壁には亡きおじいちゃんの似顔絵、照明は以前のものを再利用しています。

玄関左手の戸を入って、振り向くとLDK。
天上は小屋組みの一部を見せて高さを確保、シックな色のフローリングに、白い壁と天井で明るい部屋となります。
窓前の筋かいも白く塗って、キッチン収納の扉も白で統一しています。
キッチンはガスコンロの上にステンレスのレンジフードがあるだけで、ダイニング側に開放。
キッチン背面のカウンター収納や吊り戸棚は木質系仕上げ、冷蔵庫上も収納として活用しています。
食洗機も付くキッチンの横には引き戸の勝手口があり、屋外にゴミを出しておけます。

リビングのアプローチ側の壁には既存の書棚の高さを低くして再利用して配置、一角にはキャスター付きのミシン台が備わります。
窓外の物干し場としても使うウッドデッキは、室内との段差を少なくして作り直し、庇も新しくなりました。
少しコンパクトになった庭は半分ほどをブロック敷きとしてバーベキューなどに対応、他の部分は芝生敷きとして手入れしやすく使いやすくなりました。
アプローチとの境に花壇を設け、コーナーには切った庭木の丸太で組んだ子供用のブランコも付きました。

LDKの奥には、長いカウンター机が続くスタディコーナーがあります。
正面の壁は、上の本棚とジャロジ窓以外にはコルクを張っています。
キッチンを区切る壁には、以前の建具を加工した小窓付き。

玄関右手がお母さんの寝室、建具は吊り戸として床の段差を完全になくしています。
3つの小窓に仏間付き、IHヒーターのミニキッチンも付きます。
奥には、おばあちゃんから受け継いだタンスが納まるウォークインクローゼット付き。
入口の扉の上には以前の建具を再利用した小窓付き、廊下を通じて換気が可能で、開けておけば家族の雰囲気も分かります。

廊下を奥に進むと娘さん夫婦の寝室、隣のスタディコーナーに通じる扉も備わり、この上にも再利用の小窓付き。
広いウォークインクローゼットも備わり、使い勝手を高めています。
向きを反対にした階段の下は収納として活用、お母さんのクローゼット奥の位置がトイレ。
その隣が洗面所と浴室となります。
洗面所は引き戸で、大き目の洗面台付き。
洗濯機置き場付きのスタンダードサイズの空間で、引き戸のシステムバスに通じます。
その浴室には暖房乾燥機と物干しバー付き、格子の目隠し付きの窓も備わります。

緩やかになった階段を上がると、古い建具を再利用した和室に通じます。
古い机の引き出しを再利用した、造り付けのカウンター机も備わります。
壁のコルクボード裏は、壁の厚みを利用した鏡付きの小物入れ。

奥の部屋は子供部屋、小屋組みを見せて高くなった天井は、2段ベッドを置いても高さに余裕があります。
クローゼットは2つに分かれ、隣の和室とも2枚引きの扉でつながり、姉妹で広く使ったり分けて使うことも可能です。
階段突き当りにはトイレが出来て、照明には古いものを再利用しています。


今回の 劇的!ビフォーアフター 物件262 日に日に傾く家(東京都武蔵野市 谷口家) は、擁壁を兼ねる基礎の上手い作り方や再利用小窓による各部屋同士のつながりが印象的でした。
書棚や照明なども上質なものを上手く再利用、外観も形を最大限残したことで、昔の住まいのイメージを残しつつ、新しい空間として再構成していたようです。
豊富な予算は擁壁や床暖房や庭作りなど、部屋の広さや快適さを確保する為に活用。
再利用する部分と新しく造る部分の見極めやアイデアの盛り込み方などにも、光る部分がみられました。
新築にはない思い出をしっかり残しつつ、快適さや新しさを上手く盛り込んだ、参考に出来る部分が多いリフォーム内容だったといえそうです。

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