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物件221 かつて牛舎だった家

劇的ビフォーアフターのアイデアをチェック    住まいのリフォーム・リノベーション

 


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住まいのリフォーム・リノベーション
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物件221 かつて牛舎だった家  劇的ビフォーアフターのアイデアをチェック

劇的!ビフォーアフター 物件221 かつて牛舎だった家 で紹介されている、リフォームの役に立つアイデアをチェックしましょう。

今回の劇的!ビフォーアフター 物件221 かつて牛舎だった家 は、築70年になる2階建ての佐渡の住まいのリフォームです。
もともと牛舎だった建物を住宅に改造したもので、娘夫婦とお母さんが別棟に分かれて住んでいる状態です。
トイレなど水廻りは娘夫婦が住んでいる母屋にしかなく、お母さんは毎日トイレなどの為に、屋外を通って母屋に通う毎日なのです。

外部の傷みが激しく、車庫のシャッターは錆びてボロボロ、屋根瓦は一部が飛ばされている状態です。
車庫付きの離れがお母さんが住んでいるところですが、古い構造部分は伝統工法の石場建てという土台がない作りで、意外に健全です。
母屋が牛舎を改造した住まいで、平屋ながら屋根が高くなっているという特徴も見られます。
こちらも屋根や外壁のトタン板がボロボロに錆びて、基礎もブロック製という古さが目立つ状態です。

リフォーム予算は1800万円と、広さに対しては十分な予算が準備されていますし、3人家族の住まいとしては、狭すぎるというほどではありません。
そこで母屋を快適で使いやすく改修すると同時に、離れとのつながりを考えたリフォームが今回のリフォームポイントとなりそうです。
複雑となりそうなリフォーム内容にも、興味が沸くところでしょう。

解体の前に、残す部分を確認しています。
古い土壁を補修しつつ残すようで、他にも再利用する材料も多いので、慎重に解体が進みます。
車庫付の離れは、多くの部分がそのまま残りました。

母屋部分を解体してみると、木の骨組み部分はかなりしっかりしていて、平屋としては十分な作りです。
梁がしっかりしているので、柱の間隔が広くても比較的安心できます。
土間も乾いているためか、床の下地もほとんど傷んでいません。
屋根が高いのは牛舎の換気を効果的に取る為のようで、側面は半透明の波板として明かりを取っていたようです。

車庫の土壁の下の部分を解体、そこに足固め土台を入れて、石場建ての柱の足元を補強しました。
解体した土壁は再利用、水を加えて練っただけで良い塗り土となりました。
小舞竹で下地を作り、土を塗って復元、傷んだ部分も補修しました。
伝統的な住宅が大事に残されている地域なので、土壁が上手に塗れる左官屋さんも残っていたようです。

向かい合う母屋と離れの外壁を解体、間に鉄筋コンクリートの基礎を作って2棟を繋いでいます。
柱を建てて屋根を葺き、つなぎの間が出来ました。

母屋部分はブロック基礎の内側に穴を掘って、割栗石(石を砕いて角を出した石)を小端立てして敷き詰め、10個の独立基礎を作ります。
割栗石を立てて並べることで、楔のように地面に食い込み、地盤の強度を高める工法を採用です。

その独立基礎に金物をセット、斜めに柱を立て込んで、貫で梁に固定しました。
2本の柱と梁で台形をつくることで、強度を高めています。

さらに床の土台となる古い大引きを2つにカット、斜め柱を両側から挟んで足元も補強しました。
古い柱は、大引きを支える束柱として再利用です。
ブロック基礎のまま弱い向きだけを補強するアイデアとして、興味深いものです。
ただ一般的な場所で確認申請を通すのは、難しいかもしれません。

構造がしっかりしたので断熱材を入れて、以前の明り取りの波板部分には、耐久性の高いポリカーボネート板を入れて明り取りとします。
さらに外側に隙間を作って2重に貼ることで、断熱性能を高めます。
外壁には杉板を採用、赤身(心材)を使い目板を目地上に貼ることで、耐久性を高めています。

ここで夫婦の娘さんの生徒が、リフォームを体験する為に加わります。
羊毛断熱材の暖かさを体で確認したり土壁を触って自然素材を実感、大工道具の説明なども行います。
そして竹林に入り、細めの竹を切り出しの実体験を行って、生徒の体験授業が終了です。

倒壊の恐れがある隣地と境界のブロックの上部を撤去、丸太を立てて、杉板を棚状に入れて固定。
さらに生徒が切り出した竹を並べて、自然素材の塀が完成です。
鉢植えを飾る棚として、塀を活用しています。

板を大きなパネル3枚に加工、表面に松の絵を描きました。
玄関先の明り取りの窓のカーテン代わりの板戸として使用、能舞台の背景となる鏡板風の建具となりました。
杉板の舞台の下には畳のベンチが備わり、舞台の杉板を組み合わせて出来るテーブルと組み合わせてる使える、独特のアイデア舞台です。

リフォームが完成して、屋根は茶色のガルバリウム鋼板となり、外壁の杉板と共に落ち着いた雰囲気でまとめています。
車庫のドアは引き分けのヤマト貼りの板戸に変わり、通気性を確保しています。
土壁の上に木の横桟を並べて、道具が掛けられるアイデアが加わりました。
天井が高くなったものの、天井板自体は再利用です。
壁一面の棚も付いて、道具などがたくさん収納できます。

離れの元の入口部分は壁でふさがれ、井戸を汲み上げる水場ができ、塀の鉢植えの水やりが容易にする工夫が加わります。
離れと母屋を繋ぐ通路には広く開く建具が付き、濡れ縁もあるのでゆっくりひなたぼっこが出来ます。

玄関は1箇所にまとまり、大きな玄関収納やコート掛けが備わります。
玄関ホールには前述の能舞台が備わり、使い勝手を広げています。

渡り廊下の奥には洗面所や浴室やトイレを設置、奥行きは少なめですが、幅は十分確保しています。
浴室のユニットバスは広すぎない浴槽のサイズとなり、実用的とも言えそうです。
ユニットバスには、浴室乾燥機やハンガーや手摺もしっかり備わります。

お母さんの部屋は障子の入口で、土壁は漆喰で仕上げました。
L字型に長く続く窓も付き、明るさ一杯の部屋となります。
畳の小上がりやカウンター机も備わり、ジグソーパズルが収納できる棚も備わります。
ピースを並べるパレット付きで、細やかな配慮が伺えます。

ベッドにもなる畳の下は収納で、2階に上がる階段だった部分も収納となりました。
2階へ上がる階段は再利用、畳は新調したものの、窓や土壁は手直しして、懐かしいまま活用です。
全面を障子で囲うようにすることで、断熱性能を高めています。
押入れの奥行きも広げて容量アップ、2階は娘さんが帰ってきた時の部屋ともなります。
ただそうなると、断熱性能には若干の不安が残りそうです。

母屋は、ワンルームの開放的なスペースとなりました。
牛舎の作りを生かした空間とも言え、斜めの柱がアクセントとなり、空間に動きを与えています。
壁一面に並ぶ畳ベンチは、下部が収納となります。

部屋の中央に出来たテレビが入るカウンター収納の背面は、対面式のキッチンです。
その背面の壁は、一面を収納とすることで、たっぷりの収納スペースを確保しました。
収納カウンターの奥には隠しコンセントがあり、コードをすっきり収納できます。

玄関と渡り廊下は、障子で仕切れます。
奥の和室も障子で仕切れ、夫婦の寝室ともなります。
クローゼットは、中の布団入れ部分にも仕切り戸がある面白い作りです。

和室に面した裏庭は、丸太の柵で囲って安全を確保。
竹のデッキと竹で組んだ屋根付きで、物干し場としても活用できます。

母屋の高い天井を利用して、8畳ほどの小屋裏部屋を新設。
釣り竿を収納できるスタンドを並べて、転落防止としています。
天井にはリールホルダーも付きました。

今回の 劇的!ビフォーアフター 物件221 かつて牛舎だった家 は、既存の素材をフルに活用しつつ、新しさと使いやすさを加えたところが見所でした。
土壁や板などを再利用、古い良い素材は上手く使えば立派に使えることが分かるリフォームともいえそうです。
ただ失われつつある職人の技術が多用されていたので、同じようなリフォームを行うには、技術を持った設計者や工務店探しが必要となるかもしれません。

収納のアイデアは定番のものが多かったのですが、長く一面に並べることで収納量を高めていました。
元々牛舎であったワンルームを生かした為に、広い空間が確保できたところも大きかったようです。
古いしっかりした建物の強度の短所を補いつつ素材や空間の広さなど長所を生かしたリフォーム手法は、より一般的な住まいでも参考となるリフォームだったといえそうです。

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