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物件242 孫がおびえる家

劇的ビフォーアフターのアイデアをチェック    住まいのリフォーム・リノベーション

 


劇的ビフォーアフターのアイデアをチェック



雨水に浮かぶ家


孫がおびえる家


居間より廊下が広い家


 

住まいのリフォーム・リノベーション
では、
住まいのいろいろな改修方法や
必要なコスト、快適さの追加や
エコロジーや節約ポイントを紹介。

計画や工事のチェックポイントや
リフォームが必要な時期など、
住まいのリフォーム・リノベーション情報が満載です。

 

物件242 孫がおびえる家  劇的ビフォーアフターのアイデアをチェック

今回の劇的!ビフォーアフター 物物件242 孫がおびえる家 は、娘さん家族(同居予定)と御両親で5人家族の住まいのリフォームです。
築50年で建坪が10坪で2階建てのコンパクトな住まいは、3方が公園や緑地に囲まれるため虫が多く、入ってきた虫のせいで食事中でも大騒ぎになってしまいます。
動きが悪くなってしまった建具などに隙間が多いので、いろいろな虫が入ってきてしまうのです。

敷地は旗さお状となった住宅地の一番奥で、アプローチの間口が狭く軽自動車がギリギリ入る幅しかありません。
隙間風で寒く、5人家族となると、より狭さや水廻りの使いにくさも目立ちそうです。
狭い台所や脱衣室が無い浴室と小さな浴槽、その隣の狭いトイレなど、古い住まいらしい弱点も目立ちます。
階段の登り口に洗濯機があり、その階段も急で危険な状態です。
ただ2階の窓からは緑がたくさん見られる、気持ちの良い部分ですが、現状は物置となっています。

そこで家族が5人に増えて、虫に邪魔されずに暮らせる住まいへのリフォームとなります。
予算は1500万円、広さかすれば十分なのですが、工事が難しいことで費用がかかることも予想されます。
古さと狭さを解消するアイデアに加えて、狭い敷地での工事にも注目のリフォームとなりそうです。
(ただ、公園や緑地側からの工事が可能ならば、工事としてはかなり容易になります。)

狭い道路に苦労した引越しが済んで、解体が始まります。
解体が終わると、梁材には過去に他の住まいで使用されていたようなホゾ穴などがたくさん見つかりました。
ちょっと長さが足りない梁もあり、地震の強い揺れには不安が残るような状態です。

そして角の通し柱の足元や土台が腐り、柱が浮いてしまっています。
他にも北面を中心に傷んだ柱や土台があって、非常に危険な状態です。
隣地が緑地でさらに北側で日当たりが悪く地面が乾きにくい為に、湿気が多く傷んでしまったようです。

そこでまずは基礎固め、しっかりしたベタ基礎を作って既存の基礎と一体化。
土台の下端までコンクリートが来る、丈夫で湿気を防ぐ基礎としました。
その上で傷んだ構造部分を交換したり、弱い部分は補強します。
狭い敷地なので機械が入らす、主に手作業での工事となっているようです。

屋根を支える小屋の構造部分も一新、形はそのまま登り梁とすることで補強しつつ高い天井空間を確保しています。
一部の床梁は高さを上げています。
そこにユニットバスを設置、周辺の水廻りは最低限の天井高に抑え、その上にさらに梁を追加して、高くした2階の床との間に高さ90cmほどある隙間空間を作って収納場所を確保しました。
新築では1.4mの天井高さとするところなので、高さが低い分少し使いにくくなりますが、一般的な高さの住まいで収納場所が確保できる良いアイデアといえます。

ここで今回の匠は、師匠であったビフォーアフター大賞を取った匠の瀬野さんを訪問。
独立して5年、今度は自分がビフォーアフターの匠となったことを報告です。

リフォームに戻って、断熱材は一般的な材料を使用、外周全面に隙間無く入れていきます。
屋根材には断熱材を裏打ちしたガルバリウム鋼板を使用、断熱効果を高めると同時に、雨音を抑える効果も期待できます。
外壁にも同じ材料を使用して、デザインを統一しつつ耐久性を高めます。

匠は材木市場に出かけて、地元岐阜の桧を確認。
細い割には年輪が細かく、粘り強い良材のようで、適度な価格もあって採用です。

昔風呂場だった場所が玄関となり、その先に8畳ほどのダイニングキッチンが出来ました。
ここで解体して出た古い木材を加工して、新たな木材として再利用です。
高さをそろえてボルトでつないで広く厚い板を作り、存在感のある大きなダイニングテーブルとしました。

岐阜桧は板に加工、公園側に大きく空いた開口部分の、天井・壁・床の仕上げ材として活用です。
総桧張りの屋外空間ですが、屋根や袖壁で囲まれるので傷みは少ないはずです。
公園の緑が楽しめる、屋外リビング空間の完成です。
お母さんの部屋と階段ホールと子供部屋、どこからでも出ることが出来、明るさや景色を共有できます。
桧の強い香りで虫が近寄らないという利点もあり、さらに開口部分には収納式の網戸も備わります。

リフォームが完成して、外観はガルバリウム鋼板に包まれた、軒先の出が無いスッキリした形となりました。
外壁にも屋根と同一の材料を使用しているので、雨が当たることによる耐久性の点でも問題ありません。
ブロック塀は見通しの良いフェンスに一新、駐車スペースは舗装して縁石を追加することで、駐車の目安としています。

車を止めていても使いやすいポーチ部分を確保、玄関ドアの向きを変えることで、入りやすい配置としました。
玄関ドアの隣の壁を木板として、外観のアクセントとしています。
その玄関には大きな窓が付き、アクリル(又はポリカ)の袖壁でダイニングキッチンに光を取り入れつつ目隠しとしています。

ダイニングキッチンは天井が高く、開放感がある空間となりました。
長いダイニングテーブルの一角に流しを設置、背面にある小さめのキッチンスペースの不足部を補います。
キッチン周りだけでなく玄関側の壁にも収納を配置、収納力とキッチンの使い勝手を高めています。

北向きの窓の手前にテレビや仏壇を置くカウンターや棚を配置、明かり取りや通風と台の機能を兼ね備えます。
隣には独立したトイレと、コンパクトにまとめた洗面所と浴室が並びます。
トイレは、タンクレストイレとコンパクト手洗いの組み合わせ、壁一面をべんがら色?のアクセントカラーとしています。
洗面所には大きめの洗面化粧台と洗濯機が納まり、最小限の段差で浴室につながります。


水廻りの隣は御両親の寝室、縦長窓が付く壁の一面を岐阜桧として、優しい色合いの香りの良い寝室空間としています。
階段下を活用した収納スペースも備わり、天井の階段を降ろすと90cmの高さの天井裏収納に通じます。
クローゼットは、部屋外の階段下の高い部分に配置しています。

傾斜が緩くなり手摺も付いた階段は、壁には窓が無く、トップライトからの明かりで明るさを確保しています。
天井を木板で仕上げ、柔らかい雰囲気も加えています。


2階は、娘さん一家の生活空間となりました。
西側に二人分の子供部屋、キャスターで移動できる2つのクローゼットで、部屋を仕切ることも出来ます。
登り天井とすることで3畳分のロフトを確保、床下の90cm高さの収納にも降りていける開口とハシゴ付です。
ロフトに登れる結び目付きのロープも付いて、楽しさを加えています。
子供部屋から両親の部屋まで、4層分をハシゴでつないだ、回遊できる遊びの空間にもなります。

娘さんの個室はコンパクトながらクローゼット付き、さらに3畳ほどのロフトも付いて、収納スペースを確保しています。
屋外リビングとなるテラス空間には、ブランコとベンチに加えて、洗濯流しが備わり金魚鉢も置かれました。


今回の 劇的!ビフォーアフター 物件242 孫がおびえる家 は、2階の建物に2層の収納スペースを確保したところが印象的でした。
さらに減築してまで屋外リビングといえるテラス空間を確保、景色を楽しめる快適で遊べる空間を加えていたのです。
大きなダイニングテーブルや回遊できる4層の空間など、使いやすさと楽しむアイデアをたくさん盛り込んでいました。

さすがに収納スペースの使いやすさの点では微妙な部分もありますが、住まいの大きさを考えるとベストの回答ともいえるでしょう。
楽しいアイデア満載で、周囲の環境を取り込む為の減築など、小さいながら楽しめるリフォーム手法は、参考に出来るアイデア豊富な内容だったといえそうです。

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