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物件251 空回りする家

劇的ビフォーアフターのアイデアをチェック    住まいのリフォーム・リノベーション

 


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住まいのリフォーム・リノベーション
では、
住まいのいろいろな改修方法や
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住まいのリフォーム・リノベーション情報が満載です。

 

物件251 空回りする家  劇的ビフォーアフターのアイデアをチェック

劇的!ビフォーアフター 物件251 空回りする家 で紹介されている、リフォームの役に立つアイデアをチェックしましょう。

今回の劇的!ビフォーアフター 物件251 空回りする家 は、耳がほとんど聞こえないお父さんが一人暮らしする住まいのリフォームです。
居間にある来客を知らせる回転灯は他の部屋にいるときには気が付かず、空回りしている状態です。

インターホンの呼び鈴はボタンが二つ、回転灯をまわす呼び鈴は別ボタンとなっているので、分かりにくい上に回転灯が回らない可能性も高くなります。
玄関にある電話は、娘さんが来た時だけ筆談で使えるものの使いにくそうです。
周囲が建物に囲まれ、部屋の暗さも気になります。
扉の開き勝手により閉じ込められる危険があるトイレや、洗濯場から遠く、2階にある窓台高さ60cmの窓の先にあるベランダの物干し場など、
使いにくさが目立ちます。

リフォーム予算は1600万円とかなり豊富ですが、扉の建付けを見る限り構造部分に不安があります。
さらに採光の為に、あまり使わないであろう2階の減築も考えられます。
そこで1階を中心にオープンで使いやすくする、構造を含めたリフォームに加えて、耳が聞こえないハンデをカバーする機器の設置が今回のリフォームのポイントとなりそうです。

引越しが済んで解体してみると、上棟式の際に小屋裏に納められた御幣が見つかり、昭和58年に上棟されたことが確認できました。
サイディングに隠されていた古い外壁には、大きなひび割れ。
阪神淡路大震災の揺れによって室内が壊れて半壊の認定を受けていたのですが、サイディングに隠されていた外壁のひび割れには気が付かなかったようです。
解体が終わって構造部分を確認すると、筋かいが外れていたり無筋のコンクリート基礎にひび割れが見られたりと弱い部分がいくつか発見されましたが、それほどひどい状況ではなさそうです。

既存の基礎にケミカルアンカーを設置して新しい基礎と一体化、内側に断熱材を敷いた上で丈夫な鉄筋コンクリートの基礎を追加しています。
東側に傾いていた躯体のズレも戻し、さらに梁を追加したり、壁や床に構造用合板を採用して構造部分を強化します。
御幣にも新しく手を加え、屋根裏に戻します。

ここでお父さんと匠が東京に出かけ、東京大学で福祉の研究をしている先生と面会。
お父さんは若干声を感じ取れる状態であることが検査で判明、さらに匠はリフォームの為の知恵を教えてもらっているようです。

リフォームは壁や天井に断熱材を追加、2階の床の一部が開けられ吹き抜けとなります。
さらにその上の屋根にも開口をあけて天窓を追加、その天窓からの陽射しを1階まで降ろす計画です。
吹き抜けの近くに腰壁を付け、見通しが良い対面式のキッチンを設置しています。
そのキッチンを見下ろせる場所に、お父さんの書斎スペースを作っています。

ここで匠は製材所を訪れ、サイズがバラバラの杉板の端材をたくさん入手。
その端材を壁にランダムに並べて、吹き抜け廻りの壁をデコボコに仕上げています。
吹き抜け周りに娘さんが手伝うキッチンやお父さんが通常作業している書斎を配置することで、お父さんと娘さんのコミュニケーションしやすくしています。

デコボコの杉板は声の反響を軽減する為のもの、割れたような声になることを防いで、お父さんが声を聞きやすくする目的があります。
ただ吸音効果を高める杉板表面の毛羽立った仕上げは、触ると手に刺さったりすることもあり、微妙な仕上げとも言えそうです。
吹き抜けの2階の窓には太鼓障子を追加して吸音と断熱の性能を高め、吹き抜けを仕切る2階の戸は両面紙で仕上げた襖で音の響きを改善しています。
さらに垂れ壁にはピンクの紙を貼ったパネルを設置、上部は吸音を重視した仕上げで余計な音の響きを抑えているようです。

1階の通りに面した壁には大きなアルミ製の2枚引き戸が付き、大きく開くので自転車を収納できます。
自転車を置ける広い玄関スペースが、前面道路の騒音を緩和する干渉帯ともなり、元々のアプローチ部分に駐車スペースを確保しました。

ここで匠は鉄工所に出かけ、たくさんの大きなグレーチングを作ってもらっています。
そのグレーチングを玄関前を囲むように設置、プライバシーを確保しつつ、光や風が通り、防犯性能も高まります。


リフォームが完成して、外観はシックな色の金属板の下見板乱尺貼りに玄関とベランダを囲うグレーチングが目立つモダンな印象となりました。
屋根もガルバリウム鋼板のブラックカラー、モダンな印象を強めます。
駐車場の奥となる従来の玄関部分は、洗車道具の収納場所とダイニングキッチンに通じる勝手口が付きました。
玄関周りは玄関戸も含めてブラック仕上げの防犯重視仕様、ただアプローチに段差があるので自転車を入れる際には力が要りそうです。

広い玄関は床が低めで、式台を介して2段で上がります。
大きな下駄箱の扉には姿見鏡が付き、壁には小物を収納できる棚も付きます。

1階はLDKのワンルームが基本、吹き抜けから明るい陽射しが降り注ぎます。
テレビスペースは出窓状にすることで狭さを改善、さらに上部のトップライトやサイドの窓から明かりや風が入ります。
板貼り以外の壁は薄い黄緑のカラーを採用、空間の色に変化を与えています。

対面式キッチンの向かいには、高めの腰壁で仕切られるカウンターが付き、一人の食事はここで出来ます。
側面には食器棚、筆談用の筆記セット付きの電話機置き場も備わり、使い勝手を高めています。
キッチンスペースは広めで、二人の娘さんが一緒に使える空間を確保。
背面のカウンター収納と共に、収納スペースも豊富に確保しています。

LDKには、書斎からも見える位置にフラッシュライトタイプの玄関チャイムを設置、来客もわかりやすくなりました。
玄関側の壁にお母さんの仏壇を配置、いつも家族と一緒です。

廊下に面するトイレの戸は引き戸で、カウンター手洗い付きの広めの空間です。
建物の奥に配置された洗面所はかなり広く、娘さん家族が泊まって使える豊富な収納スペースを確保しています。
浴室は一面桧の壁、リビング同様出窓風のスペースのトップライトやサイドの窓から明かりや風が入ります。
バリアフリーは意識していない水廻りの作りですが、広いので必要になればリフォームは容易でしょう。

扉で仕切られる階段は傾斜が緩くなり、安全に上がれます。
上がりきった先は和室の客間、縁なしタタミや障子や薄い床の間付きで趣のある空間です。
押入れスペースもたっぷり確保しています。
物干しベランダも掃き出し窓の先に段差無くつながるタイプに変更、床もウッドデッキに変更して快適な物干しスペースとなりました。

その隣は扉で仕切れる板の間空間、仕切って2つ目の客間として使えると共に、娘さん家族との同居にも備えます。
吹き抜けには窓の開閉に必要なキャットウォークも備わり、渡り廊下の奥は収納スペースとトイレスペースになります。
手摺の鉄パイプは、お父さんが働く鉄工所でお父さんが加工したものです。

書斎の背面は書棚、その奥がお父さんの寝室です。
2階の寝室にもフラッシュライトタイプの玄関チャイムを設置、インターホンの子機を書斎に置くことで来客にしっかり備えています。
寝室周りにはたくさんの収納スペースを確保、掃き出し窓の先は狭いながらウッドデッキのベランダで、玄関前同様のグレーチングの目隠しでプライバシーと通風や明り取りを両立、プランターを引っ掛けて花を楽しむ空間にもなります。


今回の 劇的!ビフォーアフター 物件251 空回りする家 は、明るさとコミュニケーションを高める吹き抜けがポイントでした。
LDKと2階をつなぐ吹き抜け周りは、明るさとコミュニケーションに加えて声が聞きやすい音響にも配慮された考え抜かれた空間。
和紙を断熱や吸音に使うアイデアなども、興味深いものでした。

バリアフリー設備は特になかったのですが、余裕のある水廻りスペースを確保していることで将来に備えつつ、現在の使いやすさを優先していたようです。
住まう家族の現状にぴったり合わせた住まいづくりの好例として、専門家に相談する解決手段も含めて参考に出来るリフォーム内容だったといえそうです。

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