物件203 重さに耐えきれない家 劇的ビフォーアフターのアイデアをチェック
劇的!ビフォーアフター 物件203 重さに耐えきれない家 で出てきたアイデアをチェックしましょう。
今回の劇的!ビフォーアフター 物件203 重さに耐えきれない家 は、擁壁の上に建つ理髪店の店舗付住宅のリフォームです。
擁壁に大きなヒビが入り、床が傾いているという、相当危険な状態となっています。
増改築を繰り返した住まいで木造と鉄骨造が混在、さらに擁壁の上にも建物を増築してしまったので、擁壁がもたなかったようです。
住まいの内外に段差も多く、増築により使いにくいところが非常に多い状態なので、リハビリ中のお父さんが住める住まいにリフォームすることも、ポイントとなります。
大きく傾いた住まいを修正しつつ、4人の住まいとしてどこまで快適にまとめられるか、匠の力量が試されそうです。
引越しが済んで、コンクリートの上に土を盛って作った菜園の植物も、大事に移植します。
そして解体が進むと、屋根が幾層にも重なり、増築のたびに屋根が大きくなった様子が分かります。
2階の梁は途中で切れている部分もあり、上部の構造的にも危険な状態です。
まずは木造部分の基礎を鉄筋コンクリートのべた基礎で作り、鉄骨部分と一体化して基礎全体の強度を確保しました。
しかし擁壁上の部分は地盤が弱く、水も染み出すような状態です。
そこで擁壁の上に建つ部分を解体して、盛土部分の土を取り去りました。
土を取り去った部分にドリルで穴を開け砕石を充填、固い地盤まで砕石を充填して支える砕石杭を作りました。
水を通しやすい杭で、地盤の中の水も減らす目的もあります。
その杭の上に地中梁と呼ばれる丈夫な基礎を作り、擁壁に力を掛けない丈夫な基礎を作りました。
上部構造部分の補強は鉄骨梁も活用、木造部分と一体化しつつ、住まい全体を補強しています。
さらに無駄に重なっていた屋根部分は撤去して、住まい全体を軽量化しました。
ここで一箇所、コンクリートブロックで床上1m程の壁を作りました。
そして対面式キッチンを、その壁に沿って設置しています。
通常は木の下地で作るものですが、燃えにくさを意識したのかもしれません。
その西側には大きな窓と玄関を設置、庇もつけて住居用の玄関を新設しました。
広すぎる店の部分を縮小して、生活空間を広げています。
1階に30畳ほどのバリアフリーワンルームを確保、部屋を仕切る建具は上から吊るタイプとして、床に段差ができない配慮をしています。
床は強固な塗装を施したバーチ材を使用、車椅子を使用しても傷が付きにくい材料を採用です。
車椅子では移動しやすいのですが、他の家族は足が疲れやすくなるので、一長一短ともいえます。
ここで匠が庵治石の廃材を入手、そして庭の菜園だったコンクリート床部分を撤去。
そこにお父さんが昔良く油絵で描いていた、黒松を植えて、砂利で海などを表現しました。
ウッドデッキも設置して、和風イメージの庭ながら、使い勝手の幅も広げています。
そして庵治石を搬入してプラスチックのバケツと組み合わせ、菜園スペースに水を撒く雨水タンクを設けました。
電動ポンプで汲み上げて、手軽に菜園や松の庭に水やりが出来ます。
完成が近づき、以前使っていた理髪店の道具が修理されて搬入です。
そしてエステスペースとの仕切りには吊り建具の折り戸を設置。
店舗部分を最小限に抑えつつ、お客さんが異なる理髪店とエステをしっかり区切ります。
麻や竹を使った扉で、アジアンテイストを演出です。
さらに色鮮やかな布を張ったパーツを作り、仕切りの建具にはめ込んで自由に使える遊び心を加えました。
リフォームが完了して、外観がすっきりと落ち着いた色にまとまりました。
庭の目隠しの木格子が、優しさを感じさせます。
店舗部分の外壁は同じ木の格子でも色を変え、アクセントとしています。
店舗の入口は理髪店とエステは共通、入ってすぐに木の格子を活用した飾り棚や収納が備わります。
理髪店の椅子はひとつ、落ち着いたレトロな雰囲気でまとめ、お婆ちゃんのお客さんに合わせています。
床の髪入れや台所につながる隠しカウンターなど、小さいながらアイデア満載の理髪スペースとなりました。
隣のエステスペースのベッドからは、水をたたえた箱庭が見え、バリの雰囲気を演出です。
仕切りを開けば、数人が集まるアロマ講習会の広さも確保できます。
住居部分の玄関ポーチには、スロープで入れる動線も確保しています。
玄関は店舗部分にもつながり、使い勝手を向上。
浮かせた足元照明付の下足入や地窓をつけて、足元がはっきり見える工夫もしています。
広いダイニングスペースは車椅子での移動も容易で、折りたたみ式の広いテーブルも備わります。
部屋の真ん中にある鉄骨の柱は、調味料棚としても活用です。
システムキッチンの裏面は庵治石を貼り付け、存在感のあるインテリアとしています。
(石貼りのために、コンクリートブロックで下地を作ったようですね)
キッチンの後には収納付の作業カウンターを備え、休憩や家事などにも使えそうな、多目的スペースとしています。
水廻りもバリアフリーの典型的な配置で、余裕のある洗面所に隣接して広めのトイレと浴室が備わります。
浴室には段差なく入れますが、手摺は少なめのタイプを使用しています。
お祖母ちゃんの寝室は、大きく開く扉で仕切り、仏壇も収まります。
襖でおじいちゃんの寝室とつながり、扉を開放すれば、ダイニングとワンルームのようにも使える寝室スペースです。
おじいちゃんの寝室からは松の庭が見え、明るい寝室となります。
洗面や換気扇や可動式のテーブルも備わり、介護のしやすさを高めています。
ウッドデッキにも段差がなく、車椅子で出ることが出来ます。
さらに可動式のテーブルには、絵を描く機能も備わります。
大きな吹き抜けのある階段で2階に上がると、これから同居を始める長男の部屋があります。
隣はお母さんの寝室で、物干しが可能なベランダに面した明るい部屋です。
収納スペースもたっぷり確保しています。
和室の客間も一新して、ゆっくり安心して泊まれます。
階段ホールには作業カウンターを設置、お母さんの趣味の洋裁も行えます。
収納スペースも確保して、使いやすさを高めています。
階段西向きの高窓には、日差しを遮る電動ブラインドが付きました。
今回の 劇的!ビフォーアフター 物件203 重さに耐えきれない家 は、地盤の悪さを改善した杭工事とアイデアの豊富さがポイントのリフォームとなりました。
番組初の杭工事で擁壁に頼らない住まいの基礎に補強する手法は、地盤の弱い住まいのリフォームでは幅広く活用できそうな内容でした。
さらに使いやすさを高めるアイデアが豊富なところもポイントで、目立つアイデアよりも実用的なアイデアが豊富だったところが好印象です。
鉄骨部分を上手く活用した1階部分はちょっと特殊な例といえますが、使いやすくするアイデアは大変参考となるリフォームだったといえそうです。