物件225 気の抜けない家(前編) 劇的ビフォーアフターのアイデアをチェック
劇的!ビフォーアフター 物件225 気の抜けない家 で紹介されている、リフォームの役に立つアイデアをチェックしましょう。
今回の劇的!ビフォーアフター 物件225 気の抜けない家 は、目が不自由な娘さんがいる3世代5人家族の住まいのリフォームです。
築33年の住まいで、お母さんは自宅で鍼灸院を営んでいるのですが、段差や物が多い通路や玄関や廊下、急な回り階段など、目が不自由な娘さんにとってかなり危険な状態です。
住まいの広さはあるのですが鍼灸院の部分が広く、生活のスペースが圧迫されています。
増築の為か動線も狭く混乱していて、個々の部屋も使いにくい状態です。
予算は2200万円と、広い住まいですがそこそこ豊富といえます。
そこで動線と部屋割りを整理しつつ、生活パターンが異なる家族の使いやすさをどこまで取り入れることが出来るのかという点が、今回のリフォームポイントとなりそうです。
解体が進むと、2階の屋根裏に焦げた跡がありました。
ただ炭色に焼けた部分の深さは1mmほどで、強度的にはほとんど問題ないようです。
ここで小屋裏全体を白い接着剤を吹きつけ、さらに灰色の断熱塗料で塗装しました。
屋根の断熱効果を高めつつ、塗料による補強の効果を期待しての採用です。
古いコロニアル屋根はそのまま、上に防水シートを貼って、ガルバリウム鋼板を貼って仕上げます。
元々が軽い屋根なので、残した上に軽いガルバリウム鋼板を貼っても問題はなさそうです。
ただ防音性などは上がりますが、屋根に当たる雨音が大きくなり、屋根面はより熱くなるので、雨音や断熱性能のアップ分はさほど期待できないでしょう。
他の構造部分も補強などを行い、床下には古紙を再生した断熱材を入れました。
エコロジーの点では注目ですが、耐久性や製造の際のエネルギーなどを考えると微妙な製品でもあります。
ここで2つの玄関やその廻りの壁を撤去、広い玄関引き戸に変更です。
さらに鍼灸院を仕切る壁も作り直し、生活空間を広げました。
階段部分も、ゆっくり上がれる階段に作り直しました。
その階段は上がり口や降り口や踊り場部分の床の表面を工夫して、歩く感触で分かるようにしました。
浮作りという伝統仕上げで階段板の木目を浮かび上がらせ、なぐりと呼ばれる伝統工法で表面をでこぼこに仕上げた床を上がり口や降り口に貼ることで、階段の前であることを感触で知らせているのです。
なぐり仕上げができる大工さんは少なくなっているので、貴重です。
リビングの床材は無垢の樺桜材、玄関から階段までの通路やキッチンスペースをコルクの床にして、床の違いで違うスペースであることが分かります。
目が不自由な人のバリアフリーとしては、床の仕上げを変えることはかなり効果的なはずです。
古い古代桧の浴槽を再利用する予感を見せつつ、次回に続きます。
今回の 劇的!ビフォーアフター 物件225 気の抜けない家(前編) は、断熱塗料や床仕上げを分けるバリアフリー化など、リフォームの方向性を教えてくれる回となりました。
屋根のカバー工法や古紙再生の断熱材など、無駄を省いたエコロジーな工法なども採用して、今後のリフォームも楽しみな前編だったといえそうです。
次回は残った2階の個室の生活に合わせるアイデアや、水廻りの作りこみに要注目でしょう。