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物件274 上がったり下りたりの家

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住まいのリフォーム・リノベーション情報が満載です。

 

物件274 上がったり下りたりの家  劇的ビフォーアフターのアイデアをチェック

劇的!ビフォーアフター 物件274 上がったり下りたりの家(兵庫県西宮市 倉田家) で紹介されている、リフォームの役に立つアイデアをチェックしましょう。

今回の劇的!ビフォーアフター 物件274 上がったり下りたりの家 は、91歳で一人暮らしのお父さんが娘さん夫婦と同居するためのリフォームとなります。
中古で買った住まいの部屋ごとに段差があるスキップフロアの造りは、高齢のお父さんにとって移動が大変。
娘さん夫婦も若くはないので、段差の多い作りの住まいには不安があるようです。
小さ目のダイニングキッチンは床が傾いていて、構造面でも不安。
倉庫部分は増築したようで、見えている外壁にはひび割れが見られます。
さらに建具にも隙間が見られ、建物全体が傾いていることが伺えます。

リフォームの予算は2000万円、広さを考えると新築可能なくらい十分なのですが、バリアフリー化と構造補強を考えるとギリギリでしょうか。
今回担当する匠は、阪神淡路大震災で娘さんを失ったことで災害に強い住まいづくりが得意とのこと。
そこで段差を解消しつつ、安心安全を加えたバリアフリーリフォームのアイデアに注目です。

引っ越しが済んで、解体が始まります。
まず塀を壊して室内も解体、高い基礎が露わとなりました。
構造的には、真ん中にある階段部分の先の梁が途中で切れていて2つに分断されているような状態。
ここで匠が緊急入院、工事が少し遅れるかもしれませんが、継続です。

屋根瓦の土を撤去して軽量化、基礎も鉄筋コンクリートの基礎を内側に追加して補強です。
匠が戻って鉄筋を検査、さらにコンクリートのスランプ(固まる前のコンクリートの柔らかさのこと、強度を確認する大切な指標の一つです)や空気量や塩分量(塩分が 多いとコンクリート強度が下がります)もチェックしています。
丈夫な基礎となり、梁などの骨組みも補強。
段差のあった床は取り払い、他の部分と同じ高さで作り直します。
床と壁は構造用合板で補強、階段は端に移して、しっかりとした造りとなりました。

屋根の南面にいくつも穴を空け、屋根上に通気胴縁を配置。
黒いガルバリウム鋼板の屋根に集まる熱を利用して空気を暖め、その暖かい空気を集めて床下に送り蓄熱、ゆっくり取り出して暖房として活用するパッシブソーラーシス テムを追加しました。
新たに架け替えられた階段は、杉板の無垢板を踏板に利用。
床材にも柔らかく歩きやすい杉板を採用しています。

キッチン上の吊戸棚は、天井から離して適度な高さに配置しつつ開放感も確保。
住まいの中央になったダイニングキッチンは間仕切りを減らして、広く開放的な空間となりました。
隣はおじいさんの寝室、さらに隣を水廻りとすることで、おじいさんの行動部分は全て1階として使いやすくしています。

おじいちゃんの部屋から勝手口につながる扉や2階の寝室から階段に出る扉は障子で、取り外せる非常口付き。
玄関と勝手口で2方向避難を確保して、扉が開かなくても非常口があるので安心です。
勝手口の木製扉には雨戸のロックのような外れる仕組みを取り入れて、大地震後に扉が動かないことで避難できなくなる危険を大幅に減らしました。


リフォームが完成して、車庫とその上を減築。
オープンな車庫とすることで、駐車しやすくしました。
アプローチは折り返し付きのスロープ付きとすることで、高い基礎に対応。
木製のインターホン付ポストや手摺も付きます。
屋根の形は基本的にそのまま、軽いガルバリウム鋼板に変更。
外壁も黒いガルバリウム鋼板で一新しています。

玄関前に小さなベンチ付、木製の玄関扉を入ると手摺が続きます。
下足箱は必要最小限で上部は飾り棚、玄関の段差は最小限で、ベンチと縦手摺を付けてバリアフリー化しています。
正面に天井までのコートクローク、扉は障子で和風を強調しています。

左手の大型障子の先がダイニングキッチン。
キッチンカウンターと吊戸棚の壁に杉板を採用、床には床下の暖気の取り出し口が付きます。
対面式のキッチンはワークトップが白で、大きなシンクとIHヒーター付き。
背面に収納カウンターと冷蔵庫を配置、上部には吊戸棚も備わります。
吊戸棚は手動の昇降式として、使いやすさを高めています。

おじいちゃんの部屋は、ダイニングキッチンや廊下とは障子で仕切られます。
仏間もあり、壁に固定された仏壇には収納式の椅子付。
奥にある趣味のコーナーは壁が杉板、写真も飾れて、カメラ機材の収納スペースも備わります。
脇にはおしゃれ収納付で、水廻り側にもクロゼット付き。
扉の非常口をよしずタイプに変えると、風通しも確保できます。

階段裏となる勝手口は、駐車場に通じています。
防災グッズを階段裏の収納スペースに配置。
壁が多い水廻りの横で隣の階段部分が補強にもなっている丈夫な部分なので、最適な配置といえます。

勝手口の隣がトイレ、2枚引き戸で開口の広さを確保、手摺も付く杉板壁で囲まれる空間です。
隣の洗面所も壁が杉板、床には床下暖気の取り出し口が付きます。
ユニットバスは手摺付きで、小窓や暖房も付いています。

階段上には天窓を配置、手摺付きでゆっくり上がれます。
広めの階段ホールには広い天板の手洗い付、下に小型の冷蔵庫を置いてミニキッチンとしての使い勝手も考慮しています。
脇には物干し場にもなるバルコニーに出られる扉があり、隣がトイレ。

階段壁には書棚兼飾り棚を配置、その先が娘さん夫婦の寝室です。
ソファーセットも置ける広さで、天井は小屋組みを見せています。
屋根の集熱器が飛び出して見えるところはご愛嬌でしょう。
窓は3面にあり、北窓下には小さいながら小屋裏収納付。
クローゼットスペースもしっかりとって、書棚スペースの先には客間があります。
階段側にも出入り口があり、押入付。
補助金約200万円を加えた金額となっている、不思議なリフォーム費用の合計を見ながら終了です。


今回の 劇的!ビフォーアフター 物件274 上がったり下りたりの家(兵庫県西宮市 倉田家) は、段差を解消してバリアフリー化しつつ、堅実な防災プランが印 象的でした。
段差を解消しつつ階段を移動することで住まい全体の強度を高め、水廻りや収納の配置で壁量もしっかり確保していました。
パッシブソーラーの考え方でヒートショックも緩和、水廻りの集約や手摺など、バリアフリー対応も堅実な内容でした。
2方向避難や外れる避難口などで、大地震後の避難経路もしっかり確保。
防災アイデア豊富な安心できるバリアフリーリフォームの好例として、参考にできるリフォーム内容だったといえそうです。

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