コロニアル・スレート瓦 屋根仕上げの材料にこだわる
住まいにリフォーム・リノベーションを行う際に使われる、こだわりの仕上げ材であるコロニアル・スレート瓦について紹介しましょう。
屋根の仕上げに使用されるコロニアルやスレート瓦は、薄く形成したセメントの表面を塗装して仕上げた屋根材です。
スレート瓦は、本来は天然の石を薄く切った屋根材のことを示すのですが、現在ではセメントで作った屋根材をスレート瓦と呼びます。
現在、屋根材として天然の石を使う場合には、天然スレートと呼びます。
スレート瓦には、瓦の形をした屋根材と薄い板状の屋根材があります。
瓦の形のスレート瓦は、セメント瓦とも呼ばれます。
形は陶器瓦と同様ですが、最近では耐久性が高い陶器瓦が安価に入手できるので、瓦型のスレート瓦(セメント瓦)は少なくなりました。
そこでここでは、瓦型のスレート瓦は除外して考えます。
薄い板状のスレート瓦は、コロニアルとも呼ばれます。
コストが安価で比較的軽く、2.5寸勾配くらいまで屋根を緩く出来るという特徴があります。
最近では瓦一枚が大きな製品もあり、工事期間が短くて済む場合もあります。
陶器瓦より軽いので、地震に対しては有利な屋根材料です。
またコロニアル屋根の住まいでは、瓦に葺きかえると地震に対して弱くなってしまう可能性もあるので、コロニアルか金属板でのリフォームが基本となります。
コロニアル型のスレート瓦は、断熱性能や防音性能の点では、陶器瓦とガルバリウム鋼板の中間くらいです。
雨音の響きは少なめですが、薄いので音を遮る防音性能としては陶器瓦には及びません。
断熱性能の点でも、ガルバリウム鋼板のように熱くなったりはしないのですが、陶器瓦よりも薄いので断熱性能も及びません。
使い勝手の点でも、中間的な使いやすさです。
瓦屋根では出来ないくらい傾斜が急な屋根面でも使用できるのですが、金属屋根ほど自由なところには使えません。
コロニアル・スレート瓦の弱点は、表面の塗装が寿命に大きくかかわる点です。
ベースとなる部分がセメントなので、表面をカバーしている塗装が傷んでくると水を吸いやすくなります。
薄いセメント部分は表面の保護がなくなると傷みが早く進み、雨漏りや破損の原因となるので、定期的な再塗装が欠かせないのです。
リフォームの際にコロニアル型のスレート瓦を採用する場合は、安価な価格と中間的な性能を持つ点がポイントです。
使いやすい屋根材で、厚い瓦から葺きかえれば、住まいの地震に対する強さも補うことが出来ます。
ただ塗装が傷むとトラブルの原因となりやすい屋根材なので、定期的なメンテナンスを行うことが必要な屋根材なのです。