屋根材料の特徴 屋根のリフォーム
屋根のリフォームを行う場合、屋根表面を再度塗装する場合と屋根材料自体を取り替える場合があります。
屋根表面を再塗装するのは、屋根材自体は傷んでない状態で色が落ちてしまった場合に行う、住まいのメンテナンス工事といえるでしょう。
屋根材を取り替えるリフォームの場合、使用する屋根材料を選ぶことが一番のポイントとなります。
リフォームの際に通常使用する屋根材には幾つかの種類があり、それぞれ特徴があります。
陶器瓦とセメント瓦、スレート瓦(コロニアル)と金属板が、現在普通に使用されている屋根材です。
陶器瓦の特徴は、耐久性の高さと断熱性や防音性能を備える点です。
特に耐久性の面では、上質な陶器瓦は数十年から百年程度の耐久性を持っています。
陶器瓦は厚くて重いので、断熱性能や防音性能の点でも有利です。
また壊れた部分だけ交換できるところも、陶器瓦の特徴です。
割れた瓦を取り替える工事がかなり簡単なので、メンテナンスしやすい屋根材なのです。
陶器瓦の弱点は、重さと割れやすさです。
現在の屋根材としては、陶器瓦は重い材料のひとつです。
地震の際に住まいにかかる力が強くなるので、住まい全体の強度を高めに作る必要があります。
強風の際に飛んできた物が当たると、陶器瓦が割れてしまうこともあります。
その為台風が通り過ぎた後などには、点検を行うことが重要です。
最近の陶器瓦は、価格の面では他の屋根材と大きな違いはなくなっています。
耐久性が特に高い製品はさすがに高価ですが、通常の陶器瓦は金属屋根とほとんど同じくらいです。
セメント瓦は、寸法が安定している点と陶器瓦よりは割れにくいところが特徴です。
断熱性能や防音性能の点でも、陶器瓦と同等以上です。
しかし耐久性の面では、陶器瓦には及びません。
色や防水性能を表面の塗装に頼っているので、塗装部分の耐久性が屋根自体の耐久性となってしまいます。
そこでセメント瓦は、あまりお勧めできないリフォーム屋根材料といえるのです。
スレート瓦(コロニアル)は、屋根材の軽さが一番のポイントです。
瓦よりかなり軽くなるので、地震に対する不安がある瓦屋根の住まいのリフォームには効果的です。
断熱性能や防音性能については、金属板よりも有利なのですが、瓦屋根より劣ります。
スレート瓦は、セメント瓦以上に表面の塗装で色や防水性能を確保しています。
そこで耐久性の面では、あまりお勧めできない屋根材料でもあります。
しかし価格が安価で瓦よりゆるい勾配(傾き)の屋根面で使用できたりと、使いやすさもある屋根材なのです。
金属板の屋根材は、ガルバリウム鋼板を使用するのが一般的です。
他にもアルミ合金やステンレス、亜鉛鉄板(トタン)やカラー鉄板や銅板などの金属屋根材があるのですが、価格と耐久性のバランスを考えるとガルバリウム鋼板が現時点でベストでしょう。
金属板屋根の特徴は、軽さと防水性能の高さです。
耐久性の面でも、塗装面はセメント瓦などと同等なのですが、金属板自体の耐久性はかなり高くなっています。
物が当たっても、破れたりしにくいところも長所です。
ゆるい勾配(傾き)の屋根面で使用できたり、屋根の形に合わせて加工しやすいなど、使いやすさも備えます。
金属板の短所は、断熱性能と防音性能です。
瓦と比べるとかなり劣り、雨音が気になる場合も少なくありません。
裏に断熱材を充填した屋根材もありますが、性能面では瓦に及びません。
屋根のリフォームに使用する材料は、耐久性と性能で選ぶことが大切です。
通常は陶器瓦か金属板がお勧めですが、それぞれ特徴があります。
また耐久性よりもリフォームの手軽さを重視する場合は、スレート瓦やセメント瓦を使ってもいいでしょう。
リフォームの後に住まいを使用する期間は、新築住宅よりも短いことが考えられるので、耐久性が短めの屋根材を使用することも間違いではないのです。